山奥



食事の終わったライナーが近づいて来たと思ったら私に話があると言うじゃないか
まだ食事の終わらぬ私はパンをちぎって口へ運び、スープをすくいながら此処では出来ない話なのかと問えば小さく頷く
横で食事をしていたユミルが大事な話とは愛の告白ではないのかと茶化すが、ライナーは表情を一つも崩す事無く私を見つめるだけ
だが彼がユミルを制するクリスタをちらりとほんの一瞬視界に居れた事を私は見逃さない
パンとスープをできるだけ口にぶち込んで残りをサシャへと与える
神を崇めるかのように私を崇める彼女は本当に馬鹿だ
いい意味で馬鹿だ、嫌いじゃない、むしろ好き
私が席を立ったという事で歩み始めたライナーの背を只ついて歩く
相変わらずユミルの茶化す声にそれを制するクリスタの声
サシャの私を崇める声が聞こえるが、私の目に飛び込んできたのは心配そうに此方を見つめては目をそらすベルトルトに、頬杖を突きながらも射るような視線を向けるアニだった



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