リヴァイ



[ナマエさんはキスしたことありますか?]

あぁエレンよ…好奇心に任せて何でもかんでも口には出すなとこの間言ったばかりだろうが
人が多くない食堂はこいつの一言で物音一つしなくなった
正確に言えばエレンの横に座る糞ハンジのひーひーと笑いを堪える息が漏れているのみ
だがもう1度いう
人が多くない食堂はこいつの一言で物音一つしなくなった
重要なのは人が多くないと言う所
多くないとは言えど、少なからず周りには人が居る
それなのになぜこいつはよりにもよってそんな事をナマエに聞く
馬鹿か?馬鹿なのか?きっと馬鹿だな…俺はお前が馬鹿だとは気が付いていたが此処まで馬鹿だったとは思わなかったぞ
呆れながらも具のたいして入っていなくてうまくもないスープをスプーンですくおうとすれば、ドンっと凄い音が食堂に響いた
ナマエが机におもいっきり拳を振り下ろしたのだ
机は幸い壊れる事は無かったが、横に座っていた俺のスープは振動に反することなく従順に揺れ皿からあふれ出た

くっそ…汚ぇな…

ハンカチを取り出して手に付着したスープを拭き取っていると、地を這うようなナマエの声

「リヴァイ…躾がなってないんじゃない…?」
『ヤるならこいつをそそのかした糞ハンジをヤれ』

俺の言葉に意外にも素直にそれもそうかと納得したのか、凄まじい速さでハンジの胸倉をつかむナマエとギャーギャーと許しを請うために騒ぐハンジ
食事すら静かに喰えないのかと、はーっとため息をつけばエレンの謝る声が耳に届いたので

『これに懲りたら学習しろ』

時と場合と対する相手を理解する
お前は今現在進行形で全部なってないと静かに言えば反省の表情を見せるエレン
この表情は何度だって見ている
だがこれがいつまで続くのやらといつも思う

「ハンジさんがキスはレモンの味だって言うから… ナマエさんもそうなのかなって…」

興味があっただけなんですと、あーやっぱりこいつは馬鹿中の馬鹿だ



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