僕の可愛い女の子



『これ食いたい言うてたやろ?』

龍司さんの手にぶら下がる紙袋の中身は昨日テレビで見かけた時に、美味しそうと呟いた一日限定20個のプリンだった
これを買うためにテレビに映ってたあの可愛らしいお店に怖い顔したお兄さんが並んでると想像したら、実に面白く、くすくす笑ってありがとうと受け取ると、ほんま可愛いなと抱き締められる
一日限定20個のプリンは本当に美味しかった
私が嬉しそうに頬張る様を龍司さんとプリンを入手して来てくれた組員さんがニコニコと笑って見ている
毎日でも食べたいなんて言った日には、怖い顔をしたお兄さんが毎日通うお店で有名になってしまうだろうから何とか口をつむった


夕方を過ぎ、外が暗くなり、晩ご飯は何を食べようかと考えながらご機嫌で龍司さんの横で仕事が終わるのを待っていると、龍司さんの携帯がブルブルと震えた
直ぐに出た龍司さんは何やらバツが悪そうに私をチラチラと横目に見ては大きなため息をつき通話を終える
そして私を抱き締めるのでどんな電話か分かってしまって途端に機嫌が悪くなる
堪忍なと頭を撫でられたって私の機嫌が良くなることは無い



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