この世界で大きな
「龍司さん好きぃ」
愛の告白をされても、はいそうですかと気にもしていなかったのに、はにかむ名前に言われるとなると話が別になってしまうのが恐ろしい
『ワシも名前が好きや』
死んでもそんなダサい事なんて言うもんかと思っていたのに、そう思っていた時の自分が今の好きと言われて嬉しくて好きと言い返す、そんな自分を見たら驚きすぎて死んでしまうんじゃないかと思う
「絶対私のが好き!」
どちらが好きが大きいか張り合うなんて子供みたいだと笑みがこぼれてしまう癖に、ああなんて愛おしいんだとも笑みがこぼれてしまうので、顔の筋肉が緩みっぱなしだ
好き好きと言い続ける目の前の名前を抱きしめる為に両手を広げれば、迷うこと無く飛び込んでくる
触れる度に思う
本当にこの女の事が好きで大好きで、何からも守ってやりたいと
「龍司さん大好きぃ」
悲しむ事が無いように、ずっとこの笑顔を見ていられるように
『ワシも名前が大好きや』
この世界で大きな大きな
(絶対ワシのが好きやろうけど)
(そんな事絶対に教えてやらん)
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