アナタが した場所で



龍司さんが死んだ

なんだろう…貴方が居なくなったらこの世に生きてる意味がますます見えなくなったよ
おかしいよね
いつ死んでもおかしくなかったから生きてる意味が無いなって思ってたのに、龍司さんに出会ってから少しだけ生きてる意味を見つけてしまっていたのかもしれない
でもね、本当にもう何も感じないんだ

なんだろう…居なくなって初めて気づくとか本当なんだって思った
龍司さんが私にとって生きる意味だったんだって
私から貴方の前から姿を消したくせに今凄く後悔してる
どうせ私のが先に死ぬんだって思ってたから、貴方が死ぬ瞬間に傍に居れなかった事を凄く凄く後悔してる





風が強い
髪がなびいて顔にかかるからはらおうとしても全身が痛み力が入らないし、呼吸が次第にしにくくなる
龍司さんが亡くなる瞬間に見たであろう広がる空を見ればまぶたが重たい

「…龍司さん」
『なんやお前はいつもけったいな顔しとんな』

か細い声で呼べば耳に貴方の声が聞こえた
龍司さんは俺は地獄に行くからお前とは会えんななんて笑ったけど



アナタが した場所で



(私は貴方に会いに行く)
(もう私から離れる事はないと約束をしに)



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