王子と姫の裏の顔



ミス陵南なるものがあれば、3年連続その頂点に圧勝的にたつであろう女子と
ミスター陵南なるものがあれば、多分3年連続頂点にたてるんだろうなという男子が並ぶ光景はとても絵になる
噂にはこの2人のファンクラブがあるらしい
個々ではない、2人のだ、おかしな話だ
今その2人が廊下で何やら話している
教室で俺の耳に届くのはそんな2人を見つめる生徒たちの、本当にお似合い とか 今日も可愛い(カッコイイ) という黄色い声だった
こうも毎日飽きもせず騒げるものなのかと呆れつつも、次の授業は何だっけかと机の中を覗くとざわめく室内
何事かと視線の先を追えば、名前が仙道に耳うちで何やら話してる所だった
キャーキャー騒がしい中、今度は仙道が名前に耳うちをして2人して笑っている

[何話してるんだろう]

胸の前で手を握り、キラキラとした目をしてるクラスメイトに教えてやりたい


王子と姫の裏の顔


「今日は誰のにすんの?」
『越野って言いたいけどアイツ怒るんだよな』

毎日恒例、部員達のパンツの色当てゲーム
勝者はジュースを奢って貰える、というちょっとしたゲームだ

「福ちゃんにしよ」
『アイツ恥ずかしがって教えてくれないんじゃない?』
「そん時は実力行使」
『こわっ!』

名前の手の動きはどう見てもズボンをずり下げる動きで思わず笑ってしまった
(本当に名前に下ろされた日には福田は二度と目を合わせてくれ無さそうだ)

『俺は無難にモノトーン系かな』
「甘いね彰、福ちゃんはショッキングピンクよ」

なんの自信なのか分かんないけど、ショッキングピンクと断定する当たり強気だ

「私は知ってるの、福ちゃんは乙女だって」

内緒よと言わんばかりに小声で耳うちしてくる名前だけど

『そんな事みんな知ってるよ』

アイツの鞄に熊のぬいぐるみ付いてるの知ってる?って言ったら、嘘まじ!? なんて名前が笑うから、俺も笑った



(実力行使は嫌だと、顔を赤くしながら 黒のくま柄 だと教えてくれた福田)
(俺の勝ちでジュースをゲットしたはいいけど)
(お前らマジで見た目だけだよな という越野の言葉だけが気になった)



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