夢は寝てから見るもの
目の前でため息をつく女が何故ため息をつくのかを俺は知っている
知っているからこそイラついてしまう
「今日も花道は晴子晴子って、」
うるさいんだけどって言うけれど、お前も大概、花道花道うるせぇ
『どあほうの何処がいいんだか』
ボソッと小さい声で言ったつもりだっのに、名前に聞こえてしまったが最後
「花道はね、純粋だし一途でしょ
それに何事にも一生懸命で」
それからそれからって、退屈でくわっと欠伸をすると、楓が聞いてきたくせに！ と騒ぐが別に聞きたくねぇし
「楓はさ、ファンクラブとかもあってカッコイイなんて騒がれてるけど」
私は花道のがカッコイイって思っちゃう って頬を赤くして言うの、正直ムカつく
「あーあ、楓が晴子を好きになってくれたら花道も晴子を諦めて私を見てくれるかも」
ねぇ？どう？いい案じゃない？ って
『俺はお前が好きだから無理』
キョトンとする名前を無視して机に突っ伏した
そしたら肩を掴んで勢いよく揺さぶりながら、起きて！ なんて騒ぐから、うるせぇなと顔をあげると
(もう昼なんだから目覚ましなよ)
(お前がうるさいからずっと起きてるわ…どあほうが)
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