「最初はグー!じゃんけん、」

いつものメンバーでのいつもの帰り道
置き勉禁止なんて馬鹿だ
6限分の教科書が入った鞄を下げるなんていつか肩から腕がもげそうだという話をしたら

[律儀に教科書持って帰るアンタが馬鹿なんだよ]

途中で立ち寄ったコンビニで買ったアイスを片手にしたアニに言われた
そういわれればアニは必死な私と違って軽々と鞄を背負っている

「嘘だ!!!」

思わずアニの鞄をひったくればびっくりするほど軽い

[私だけじゃないよ]

アニが指差す先は、ライナーとベルトルト

「嘘だあ!!!!」

本日2回目の嘘だは、2人の鞄をアニの同様ひったくれば儚い物へと変化する
何だって皆…必要最低限しか持っていないのか…

『やたら重そうにしてるから何が入ってるのかと思ったら』
『まさかの今日の教科書全部か』

社会なんて世界史と地理、両方使ったのに…2人して同情の目
同情するならもう少し早く教えてほしかった!

「やだーもうやだー!!!」
[はやくしな、置いてくよ]

言われてみれば朝、登校時もなんだって3人はこんなに軽々と通学できるのか疑問に思ったのだ
その現実がどうも受け入れられない私はちっぽけだけども、そんなのもう関係ない

「あれ!あれしよう!!!」

鞄を地に落として私は提案をする
まだ小学校の時に4人でやった、じゃんけんで負けた人が全員の荷物を持つって言うあれだ

『俺は別に構わないが』
『僕も大丈夫だけど』
[私は嫌だよ]

勝っても別に得するわけでも無しにってアニちゃんのばかぁ!!!

「負けるのが怖いんでしょ!!」
[勝手に言ってな]

アニのが上手なので、私の煽りには乗ってこない

『僕たち3人でやればいいよ、ね?』

アニがやらないならしょうがない…と諦めかけた時のベルトルトの提案
天使が居ると思い抱きしめればライナーに引きはがされたので、泣いても騒いでも1回勝負だからね!!!となんかおかしなテンションで騒いだ私は

「最初はグー!じゃんけん、」








「やだよー!現実辛いよ!!!」
[本当、早くしなって]

自分のじゃんけんの弱さに嘆き悲しむのだった

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