いち、にー、さん
空を見上げて数えてみる
そうしたらどこまで数えたんだっけ?ってなって最初から
何を数えてるってそれは自分もわからないんだけど、とりあえず晴れて綺麗な空を見上げるための口実に数を数えてみた
そんな私を通り過ぎる人々は不審な目で見つめて去っていく
空を見上げて数を数える私がいるのは通学路途中の何でもない道
塀にもたれて空を見上げて数十分
流石に怪しすぎるか
それにちょっと首が疲れてきたので視線を正面へと持っていくと、反対の塀にもたれて携帯をいじる男の人
あーもったいない
こんなに綺麗な空も見上げずに下ばかり見て液晶を眺めるなんて
この人の分までも私が空を堪能してやろうと空を見上げようとすれば男の人が携帯から視線をはなして空を見上げた

「いち、にー、さん」

きらりと光ったピアスが反射して眩しい
でももっと眩しいのは、空を見上げた時にふっと緩まった表情
晴れた空なんかよりずっとずっと綺麗で、もっともっと見ていたいと思ったから

「ねぇ、名前教えて」

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