月に一度の席替えが、行事と担任の忘れっぽさとが重なった上に、さらには先生席替えしないのと言い出す生徒達はみんな揃って居心地の良い席にいるからだろうか、一向に誰も何も言わない
だからか今の席になってもう3ヶ月目になろうとしていた
でも流石に行事が落ち着き、忘れっぽいと言えども席替えをすると言い出した担任は、私に向かってさよならねと手を振った
そう、私はいま教卓の目の前の席に居る

折られた紙をひとつ引いて番号を確認する
新しい席は今の席と同じ列の1番後ろだった
窓か廊下どちらでもいいので隅っこに行きたかったのが本音だが、1番後ろの席をゲット出来たのは幸運だ
荷物を持ちそそくさと引き当てた席に座ると、目の前にそびえ立つ大きな背中

『後ろ〇〇ちゃんなの!?』

まいったなと振り返った背中はポリポリと頬をかいている
背中の持ち主は仙道彰
高身長過ぎる彼が目の前では黒板のこの字も見えない
でもきっと大丈夫だ

「仙道くんが寝てたら見えるから!」

彼は授業中の大半を寝て過ごしている
机に突っ伏して居れば大きいも小さいも関係はない

『〇〇ちゃん頭良いね』

笑う仙道くんにつられて私も笑う
そして仙道くんはコソコソっと

『でも越野には内緒な』

あいつ煩いの知ってるだろ?と下がった眉毛をさらに下げて言うから、部活中の仙道くんと越野くんのやり取りを思い出して、なんだかおかしくて更に笑えた

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