こんな陽気な日に家に籠っていては勿体ねぇ!と目的は無い癖に買い物に出た
そこでばったり会った同じクラスの桜木と、バスケ部の三井さんに宮城さん
話を聞くと本日は練習が午前のみだったので今からスポーツショップに行くらしい
暇だしついて行く!と名乗り出た私
「何買いにいたの?」
カラフルなバッシュを手に取り、こんな派手なのもあるのかと近くに居た桜木に聞くが、返ってきたのは さぁ? という言葉だった
(スポーツショップに用事があったのは三井さんみたいで、桜木と宮城さんは暇だから私みたいに着いてきただけらしい)
[あれ?桜木じゃない??]
[む、お前は海南の]
桜木越しに聞こえた聞きなれた声
後ろに1歩下がって声のした方を覗けば
[あれ?〇〇ちゃん]
「神さん!!」
制服を着た神さんが居た
『おい神、お目当ての奴は見つかったのか?』
「伸一っ!!?」
そしてまさかの伸一まで
『うわっ!?なんだ〇〇じゃないか』
「なんでなんで?どうして居るの??」
嬉しさのあまり気がついたらジャンピングハグをお見舞した私を、軽々と抱きとめる逞しい腕
『練習前に神が欲しいものがあるっていうから寄ったんだが、〇〇がこんな所に居るなんて珍しいな』
伸一が笑うと、この騒がしさに三井さんと宮城さんも集まってきた
そして伸一や神さんが居ることに驚いていたが、1番驚いていたのは伸一に抱っこされる私を見た時だった
"
[知り合いなのか?]
未だに抱っこされている私を三井さんが、いい加減降りないのかと言う目で見てくる
確かに本日はデニムのミニスカートなので、そこら辺が際どいかもしれない
(きっちり伸一が見えないように抱っこしてくれてるのには気がついていたけれど)
[知り合いも何も、〇〇ちゃんは信長の妹だからね]
こんな光景なんて見慣れている神さんは気に止めることも無く、私との関係性を話す
[信長…て10番か!!]
[なに!?野猿の…妹!!?]
[マジかよ…]
そういえば〇〇ちゃんの苗字、清田だったわと宮城さんがうわ言のように呟く
気が付かなかったと頭を抱える桜木に、似て無さすぎないかと、三井さんはのぶの姿を思い出しているのだろう
「二卵生だからね!」
双子といえど二卵生は同時に産まれた兄妹みたいなものだ
[だからってなんで〇〇はじいに抱きついてんだ?]
「はっ?じいって伸一のこと!?」
人様の彼氏に何言ってくれてんのよと桜木に詰め寄る私を見て、三井さんと宮城さんは口をあんぐりと開けていた
[俺もう頭パンクしそう]
[俺もっす]
ただの桜木花道のクラスメイトと思っていた私が、やれ海南の清田信長の妹だ
やれ海南の牧伸一の彼女だと情報が多すぎたのかもしれない
「ねぇねぇ、今から練習でしょ?
見に行ってもいい??」
『良いけど大人しくしてるんだぞ』
やったー!と伸一の腕に擦り寄る
お目当ての物を購入し終えた神さんが戻って来たので、3人に手を振りスポーツショップを後にした
後日、流川が私の顔を見つめるなりため息をついた
何がそんなため息つく様なことがあるのか分からなかったけど、とりあえず失礼極まりないので、なんだお前失礼だぞとキーキー叫べば
[うるさい訳だ]
何かを納得するかのようにまたため息をついた