雪が降り積もったある日、恋人は眸を輝かせて寝ている人間…己の事だが、寝ているにも関わらず起こしに来た。
久し振りの休みだったし、此方としては今日1日寝て過ごそうと思っていた為何時も眉間に寄せている皺を更に増やした。…後にわぁ何時もより三割増しだと呑気に言われたのはこの際放っておく。

「…一体如何した…」

「雪だるまと雪合戦どっちが好き?」

…新しい拷問の一種かと思った。
寒いのは苦手ではないが、今は壮絶な睡魔に襲われている。なのにこの恋人は可愛い笑顔で選択肢を遊びと言う名の拷問で縛る。
…寝ると言う選択肢も増やしてくれないだろうか。

「佐助、俺は…」
「最近運動不足でしょ?躰動かして元気になろ!」

個人的には主に夜の運動の方が二重の意味で元気になれるんだが、今求めては駄目だろうか。相変わらずキラキラとした笑顔が眩しくてとてもじゃないが言えそうに無い。

緩く溜息を吐き出しながらさて如何するかと思案する。
雪合戦は確かに躰を動かす。だが動かし過ぎると後々筋肉痛に襲われて散々な目に遭うのが脳裏に過ぎる。

(雪だるまなら転がして積めば終わるな)

「雪だるまで頼む」

「そう来なくっちゃ!」

ぱたぱたと準備を始める姿に緩く苦笑を浮かべ、さて己も動かねばとベッドから足を下ろした。





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