あいつの襲撃

今日は珍しく朝から煩いマスターの放送もなく、いつもより平凡で平和な時間を過ごせると思い、乱闘のせいで最近溜まりに溜まっていた書類を片付けようと自室の机に座った。
その時だった。

「うわあああああぁぁぁぁぁっ!!」

聞き慣れた愛しい声の叫び声を聞き、慌てて自室から飛び出し、持ち前のスピードでその声のした元へ向かった。
それによって、この平凡な時間が一日中無くなるとも知らずに。


―――――


ちょうど声の主のいるであろう台所の前に着くと、ちょうどリンクとばったり出会った。

「リンク!」
「フォックスもあの声を聞いて?」
「ああ。あいつがやられた時以外にあんな叫び声をあげるなんて滅多にないし…」
「…敵襲かも、しれませんね」

リンクのその仮説を聞いた瞬間、俺はいてもたってもいられなくなり、慌てて現場へと繋がる扉を開けた。

「ファルコっ!!」
「っリンクーっ!!!!!」

すると、俺達の存在に気づいた叫び声の主…ファルコは、俺顔負けのスピードでらしくもなくリンクに抱き着いたのだ。
その表情は、瞳は潤んでうっすらと涙が溜まっており、そのせいか顔も少し赤く見える。いつもツンツンしてる分可愛い……じゃなくって!

「ファルコ!なんで俺じゃなくてリンクに抱き着いてるんだ!!」
「お、お前に抱き着いたりしたら変態行為や発言に出るに決まってんだろぉっ!!」

相変わらずツンは健在かっ!
俺はついついがっくりと肩を落とした。

「まあ元気を出してくださいフォックス。それよりファルコ、さっきの叫び声の原因はなんだったんですか?」
リンクがそう尋ねた時、ファルコもハッと思い出したのか、慌ててリンクの背中に隠れた。
こんな行動をするということは、つまり台所に誰かいるということだろう。
俺はブラスターを構え、顔を覗かせて部屋中を見回す。
敵か、それともマスターかドクターの実験の被害にあった誰かか、悪魔と化したカービィやアイクか…。
しかし、台所のどこにも人影らしいものは一切見当たらなかった。
…どういうことだ?
そう尋ねようとした時、らしくなくか細い声でファルコが言った。

「…あいつが、出たんだ……」
「…あいつ?」

冷静に考えても、全く見当がつかなかった。ファルコが怖がる存在…レオンか?いや、あいつがここに来るわけがないし……。
すると、下の方から何かが動く気配を感じた。
その存在はこのスマブラ屋敷にいる誰よりもとても小さくて素早い。
……まさか。
一つの候補が上がった時、体中から嫌な汗が吹き出し、毛が逆立った。

「………Gが…」

そのファルコの声が耳に届いたと同時に、カサコソという音がだんだんと近づいてきているのが聞こえた。
その物音の犯人…黒くテカテカしたあの虫が視界に入った瞬間、リンクは爆弾を投げ、俺はブラスターを乱射した。

「「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

全力でその場から離脱し、とにかく助けを求めて廊下を三人で全力疾走する。
リビングの扉が見えた時、俺達は慌ててその中に駆け込んだ。

「は、はぁ、はぁ…」
「……い、いましたね、あの野郎が………」
「おいリンク、口調悪くなってるぞ」
「あいつを見て冷静でいろって方が鬼ですよ」
「…だな。ところで大丈夫か、ファルコ?」

息を整えつつリンクと会話していると、いつもなら会話に入ってくるファルコが黙っていることが気になり、俯かせている顔をうかがった。
すると、

「………俺は何も見てない見てない見てない、見てないんだ…あんな汚れた存在、一瞬たりとも見てないんだ…」

一番冷静さが欠いており、自分に暗示をかけていた。
…グレートフォックスにいた時は、ペッピーがすぐに退治してくれていたため今までこんなことはなかったわけで、長期戦となるとこうなるのか…これからはあえてすぐ退治せず守るのもいいな←
と勝手な決意をした時、先客が口を開いた。

「慌ててどうしたんだ?フォックス、ファルコ、リンク」
「顔色も悪いようだが…」
「なんか悪いものでも食べたぁ?」
「いや、お前じゃないからありえないだろう」
「心なしかファルコも酷いキャラ崩壊してるようだし…」
「何があったんだよツッコミ狂の三人さ〜ん」
「…ファルコ、生きてるか……?」
「なんとか生きてるようには見えるが、な…」

そこにいたのは、ルカリオ、ミュウツー、カービィ、メタナイト、サムス、ピカチュウ、ソニック、ゲムヲだったのだ。
俺は苦笑いを浮かべつつそれに答えた。

「あはは、いや、世にも恐ろしい奴がついさっきいて…」
「世にも恐ろしい奴?」

一体誰だという風に全員が首を傾げた時、再びあの嫌な物音が聞こえ、リンクと俺は慌てて扉から離れ、そちらに向かい合って武器を構えた。
もちろん、ファルコも引き連れてだ。
他のみんなもただ事ではないと理解したらしい。俺とリンク同様、武器を構えたり戦闘体勢になった。
しばらくそのままじっとしていると……
奴は、扉と床の隙間から顔を出したのだ。

「きたああああぁぁぁぁっ!!」
「☆※○□▲◇@∞◎!!?」
「のっ、Noooooooooっ!」
「は、波導弾ーっ!!」
「ぴやああああぁぁっ!!」
「ちょ、こっちくんな!雷ぃっ!!」
「っ、ディメンションマント!」
「なっ、避けんなよメタナイト!だあああぁぁぁっ吹っ飛べ馬鹿野郎ーっ!!!」
「ホームランバットに掠りもしてないぞゲムヲ…って、テレポートっ!!」


案の定、メンバーは大混乱だ。
いや、俺が言える立場でもないが、みんなそこまでGが苦手だったんだな…。
と、とうとう我に返った(?)ファルコもブラスターとレイガンを構えて撃ちだし、収集がつかなくなってきた頃だ。

「こっち飛んできたぁっ!!」

たまたま全員が一カ所に集まった時、そいつがそちらに向かって飛んできたのだ。
全員がダメだと思ったその時だった。

すぱーんっ!!

そんな気持ちのよい音がすると同時に、その混乱は収まった。
その理由は……。

「まったく、たかがゴキブリ一匹にどれだけ弱いのよ、この男共は」

サムスがいつのまにやら新聞を筒状に丸め、そのままGを退治したのだ。
ちなみに、一切無駄のない動きでだ。
サムスはそのままその死体を新聞に包むとごみ箱の奥底へと入れ、何事もなかったかのようにリビングを後にしたのだった。
その一方で、リビングに残された俺達はというと…。

「…」
「男前だな、サムスは…」
「なんかさ、あんなに混乱してたのが馬鹿らしく感じるよ…」
「今回ばかりはピカチュウに賛同するしかないな」
「ポヨ〜、落ち着いたらお腹減ってきた〜」
「だからといってファルコを食おうとするなよ」
「まあ、これで一件落着、ですね」

そう言うと、各自バラバラに解散し、残るは俺とファルコの二人きりになった。
お互いに格好悪いところを見せたため、なんだか空気が重く感じた。
しばらくそんな状態が続くと、不意にファルコが口を開いた。

「…サムスの方が、ヘタレリーダーよりも頼りになるな」
「なっ、ヘタレって言うな!というか、ファルコなんか俺以上に怯えてたじゃないか!可愛かったけどさ!!」
「おまっ、さっきまでそんなこと言う余裕すらなかったくせにっ!」
「さっきはさっき、今は今だ!」
「なら、その言葉、そっくりそのまま返させてもらうぜ!」
「ファルコのくせに生意気だぞ!」

なんてレベルの低い言い争いをしていると、なんだか馬鹿らしくなり、どちらともなく同時に吹き出し、気付けば爆笑していた。
朝みたいにのんびりとした時間はもう過ごせないだろうが、やっぱり何かしらろ事件があるほうが日常らしいなと改めて思えた。
もちろん、ファルコの可愛いい半泣き姿なんてレアなもの見れたんだし、言うことなしだ。
なんて思うと、ファルコから痛いゲンコツを頭に諸に食らってしまった。



あいつの襲撃









絶対一度は書いてみたかったVSGwww。
メンバーは書きやすい人にしたんですが、初っ端からキャラ崩壊すいません。
にしても、男共が駄目すぎて、マジでサムスが男前すぎたwww

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