生意気 1/1


容姿端麗

眉目秀麗

そんな言葉を具現化したような私の片割れ。

しかも表向きの性格は良く、学力優秀、運動神経だって人並み以上。

完璧な臨也を女子達が放っておく訳がない。


放課後に校門を抜けても付きまとう女子達を臨也は適当にあしらい、いつものように私と並んで帰る。
兄妹だからって調子に乗るななどと陰口を叩かれるが気にしたもんじゃない。もう慣れた。


「今日の体育のときも凄かったね。」


男女別で隣のクラスと合同で行われる体育の授業。
体育館を半分づつ使って女子はバレーボール、男子はバスケ。
スポーツをする男子はいつもより格好良く見えるものだけれど、それも臨也がやるのだから勿論注目の的。

おかげで女子のバレーボールは授業になったもんじゃない。


「ああ、みんなこっち見てたよねぇ。莉緒も見てた?」

「見てないよ、興味ないし。こっちはこっちの授業があるし。」

「まあ、あんまり好きじゃないんだよね。キャーキャー五月蝿いっていうか、うざいし。」

「そう?満更でもない顔してシュートバンバン決めてたくせに。」

「へえ、見てなかったんじゃないの?」


臨也はなにも言い返せない私を見て悪戯っぽい笑みを見せた。

「でも臨也のこと一番知ってるのは私だからね。あんな取り巻きの女子なんかに全然負けないし。」

「どの口が言うんだか。全く生意気だよ、莉緒のくせに。ね。」





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