遺伝子 1/3
〜臨也視点〜
同じ髪型
同じ赤い目
同じ顔立ち
頭の先から足の先まで全て同じ。
これが小学生の頃の俺たち。
服装も同じようなものを着ていた。
いつも一緒。2人で1人。そんな言葉がぴったりだった。
スポーツも勉強もできた俺たちは、クラスの中心的存在で、先生方にも気に入られてた。
ある日、莉緒が言った。
「ねえ、私たち入れ替わってみよう?入れ替わってみんなをびっくりさせようよ」
悪戯好きだった莉緒の提案。
「すぐにばれちゃうと思うよ?」
「バレなきゃ意味ないもん。バレて、やっぱり似てるねって。そう笑ってくれればそれでいいでしょう?」
次の日。
俺は莉緒の格好を、莉緒は俺の格好をして学校へ向かった。
ただの無邪気な好奇心からの行動。
今日の俺は俺じゃなくて莉緒。
莉緒の下駄箱を開けると、手紙が入っていた。
同じクラスの男子からのもの。莉緒が密かに思いを寄せている人でもある。
「莉緒、手紙が入ってたよ」
「ありがとう、なんだろう?」
莉緒はその場で手紙を開いた。
「なんだった?」
「うん、昼休みに校舎の裏に来てって」
告白かもね、と言うと莉緒は照れたように笑った。
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