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花火の時間が近づくにつれ、人が多くなってきた。
頑張って歩かなきゃ臨也とはぐれてしまいそうだが、浴衣のせいでうまく歩けない。
そのうちに人ごみに流され、臨也と離れてしまった。
人ごみの中から臨也を見つけだすのはなかなか出来なくて、涙目になりながら人ごみから離れた隅っこにうずくまった。
今にも泣きそう。
「いざやぁ…」
そうつぶやくと誰かに頭をなでられた。このぬくもりは…
「ごめんね?大丈夫?」
「臨也っ…迷子に、なっちゃったかと、思ったよ」
半泣きになりながら答えると、もう一度ごめんね、と言ってから臨也は私の手を引いた。
「ここじゃ見えないからあっちに花火見に行こう?」
向かった先は人ごみから離れた高台。
そこから見た花火は
夜空に花を咲かせ、とても綺麗だった。
(来年も一緒に来る?)(もちろん)
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