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次の日の放課後。いつものように臨也と帰っていると、不意に臨也が口を開いた。
「九瑠璃と舞流。やっぱり様子おかしいと思う?」
「うん、なんかずっと考え事してるみたいだったけど」
「やっぱりねぇ」
「臨也なにか知ってるの?」
そう聞くと苦笑いしながら
原因は俺なんだと答えた。
「昨日の晩御飯前にね、2人に聞いてみたんだ。
2人はいつも同じ格好をして、一緒に居て、同じことをして楽しいの?全部同じなんでつまらなくない?人間はみんなそれぞれ個性というものがあって、その人らしく生きている。なのに2人はずっと一緒でなにもかも同じ。そんなの人間として楽しいの?
って」
「だから2人とも難しい顔して何か考えてたのね」
恐らく2人は幼いなりに、臨也の質問の答えを出そうと必死に考えていたのだろう。
まあそのうち元に戻るよ。なんて話しながら家についた。
玄関のドアを開けると舞流が飛びついてきた。
「おかえりー」
そう言ってニッと笑って見せる舞流。
「あれ?九瑠璃は?」
「クル姉はあっちだよ!」
いつもなら2人で飛びついてくるのに珍しい。
リビングに行くと珍しく早めに帰宅したお母さんが話しかけてきた。
「ねえ臨也、莉緒。あの二人、今日はずっとあんな調子なんだけれど何かあった?」
お母さんの視線の先にはいつもより元気ではしゃいでる舞流と、大人しく座っている九瑠璃。
「わからないよ。おいで、舞流、九瑠璃」
そう答え、2人を子供部屋へ連れて行った臨也の後を追う。
「ねえ、母さんが心配してるから聞くけど。2人ともなにしてるの?」
臨也が2人にそう訪ねる。
「あのね!昨日イザ兄が言ったことよーく考えてね、2人でくじ引きして全部決めよってなったの!
私達は一緒に生まれてきたから、2人で1つでしょ?だから私達がずっと一緒にいたら、これで完璧なの!」
「頷(そう…)。」
臨也と顔を見合わせて思わず苦笑いした。
簡単に自分たちが決めたことを曲げる妹達じゃない。
(臨也、これどうするの)(知らない…)
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