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女子は怖い生き物だ。独りじゃなんにもできないくせに、群れて行動すれば平気で人を傷つける。
そんな女子たちに囲まれてる私…どうすればこの状況から逃れることができるか、考えてみるもののいい案はみつからない。
帝人は「園原さん奇遇だね!」なんて言ってるけど、完全に聞き流されてる…
どうするとこも出来ずにいると、臨也の声が響きわたる。
「いやあ、良くないなあ。イジメカッコ悪い。実に良くない。」
「おっさんには関係ないでしょ」
イジメっ子はそう反論するが、臨也に口で勝てるわけない。
「そう関係ない。だから君たちが此処で殴られようが野垂れ死のうが関係ない。俺が君達を殴っても、刺しても、逆に君達がまだ23歳の俺をおっさんと呼ぼうが関係ない。
君達と俺の無関係は永遠だ。全ての人間は関係していると同時に無関係でもあるんだよ」
「はあ?」
イジメっ子は何を言っているかわからないといったかんじで聞き返す。
それを聞き流し臨也は自らの話を続ける。
「ねえ、人間って希薄だよねぇ。」
臨也がイジメっ子達に回り込んだときナイフを取り出したのが見えた。おそらくイジメっ子達は気づいてないだろう。
次の瞬間、臨也の手の中にはイジメっ子の1人のバックがあった。
素早く、無駄のない動きだった。
「まあ、俺に女の子を殴る趣味はないから…
だから女の子の携帯を踏み潰すことを趣味にするよ。」
「あ!ふざけんな!返せ…」
イジメっ子の制止も虚しく、携帯はアスファルトに打ちつけられた。
イジメっ子が携帯を拾おうと手を伸ばす前に、臨也が携帯を踏み潰す。
「アハハッ、アハハハハ…」
「こいつ、なんかヤバいって!」
イジメっ子達は臨也の行動をみて慌てて逃げていった。
一方の臨也はと言うと、あきちゃったと言って今度は帝人に話しかけていた。
「イジメ、止めさせようとするなんて偉いね」
「え!?あ、あの…」
杏里を前に頬を赤く染めている。
「俺がここに来たのは偶然じゃないんだよ。君を探していたんだ。」
「あの、それって…」
──ドンッ
鈍い音がして、臨也が数メートル飛ばされた。
傍らに転がるのは本来ここにあるはずのない、コンビニのゴミ箱…
そして現れたのは
「いーざーやーくーん」
金髪のバーテン服だった。
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