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臨也からもらった住所を頼りにバイト先へ向かう。
住所は新宿のとある場所。タクシーを使えと言われたが、お金が勿体無いと思い、駅からは歩く事にした。
またまた迷ってしまい、バイト先に着くまで思ったより時間がかかってしまった。
タクシーを使えば良かったと後悔。
すでに歩き疲れてへとへと。
身だしなみを整えようと鏡を見ると、朝よりもなんだか老けた気がする…
バイト初日からこれじゃあ駄目だ。第一印象は大切っていうしね。
服装を整え、気を引き締めてインターホンを押す。スピーカーを通して私の雇い主になるであうろ人の声が聞こえてくる。
相手は男。聞き覚えのありすぎる声にいやな予感しかしない。
このまま帰ろうと思った直後、ドアが開く。
「やあ、待ってたよ。」
その声の持ち主は私の予想を裏切っていなくて。
「とりあえず中に入りなよ。」
もちろんそれは、悪い意味で。
「な…なんで臨也さんが居るんですか?」
最後の望みを込めてした質問の答えは
「莉緒ちゃん、面白いこと聞くねぇ。そんなの、莉緒ちゃんのバイト先が俺の所だからに決まってるじゃないか。」
最高に爽やかな笑顔で言われたのは、
最悪の言葉だった。
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