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目を覚ますとそこは見慣れない部屋だった。
部屋は全体的に黒で統一されていた。
(…此処はどこ?私、ビルから飛び降りたのに。生きてるってことだよね?)
状況が飲み込めず混乱していると不意に部屋のドアが開いた。
「やあ、目覚めたみたいだねぇ。
はじめまして。高瀬莉緒ちゃん。」
「あの…えっと…」
(この人は誰?なんで私は此処に居るの?ここは何処?)
次々と浮かんでくる疑問を見透かしたように、男は言った。
「俺の名前は折原臨也。そして此処は俺の部屋。君が死のうとしてた所を、悪いんだけど勝手に助けさせて貰ったよ。」
折原臨也と名乗った男はニコッと笑って見せた。
「どうして…私なんかを助けたんですか…」
「君は人生に希望が持てない。ならばいっそ死んでしまった方がましだと思って死のうとしたんだろう?
だったらさぁ、その死のうとしてた残りの人生を俺のために活用して貰おうと思ってね?」
臨也はまるで彼女が死のうとしてた理由までも知ってるといった口調でそう答えた。
「俺の所に居てみない?もっとも、君には帰る場所なんてものは無いんだから、返事は一つしかないよねぇ。」
答える間もないまま臨也は話を進め、莉緒は臨也のもとで暮らすことになった。
始まりの始まり
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