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一週間近くも無断で学校を休んでしまった。
転校してすぐに無断欠席なんてクラスの人に良い印象を与えるわけがない。
何となく教室に行くのが憂鬱になった。
校門をくぐり抜けると、後ろから聞き覚えがある声がした。
「莉緒!おはよう!」
「おはよう、正臣」
「この間はいきなり帰るからさあ、びっくりしたよ。
あれから全然学校も来なかったし。」
「ごめんね、」
そう言うと正臣は
気にすんなと私の頭を撫でた。
「俺よりも帝人と杏里が心配してたから、 ちゃんと話しとけよ?」
「うん、分かった。ありがとう、正臣」
「気にすんなよ、友達だろ?」
友達という言葉に暖かいものを感じた。
今の私はうまく笑えているだろうか。
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