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透き通るように晴れた夜空。
手を伸ばせば星を掴めそうなぐらいに満天の星空。
野原の小高い丘に寝転がりながら2人、夜空を見上げる。
「ねえ、臨也がこんな所に来ようって言うなんて珍しいよね。」
「そうだねぇ、まあたまには気分転換ってところかな」
最近働き詰めで、部屋にこもりっぱなしだったのだから、
息抜きも必要だろう。
私の隣で臨也は気持ちよさそうに伸びをした。
猫のような仕草に笑みがこぼれる。
「さあ、そろそろかな」
不意に臨也がそう言って私の視界を両手で包み込むように隠した。
「え?どうしたの?」
「まあ、見てなって。」
臨也が手を離し、視界が開けるとそこには…
「うわぁ…綺麗…」
開けた視界に広がるのは、
星の雨。
「流星群。莉緒と一緒に見たかったんだ。」
息をするのも忘れそうなぐらいに美しかった。
「綺麗…初めて見たよ」
「莉緒と一緒に願い事でもしようかなってね。俺みたいな無神論者が願い事だなんて馬鹿げてるかもしれないけど、流れ星に願うぐらいならいいだろう?」
そうだねと笑いあって、
私達はそれぞれ願い事をした。
願うことはきっと一緒。
((これからもずっと一緒にいられますように))
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