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「シズちゃんと何かあったんでしょう?」
「……(ピクッ」
反応が有った所を見れば図星のようだ。
何があったの?と聞けば莉緒は泣きじゃくりながら答えた。
「うっ…違うのっ…私が、私が悪いのっ…私が我が儘だから、静雄は私の事嫌いになっちゃったんだ…!」
莉緒はきっと悪くないんだろう。
短気なシズちゃんの事だから、
些細な事でこうなったに違いない。
ああ、俺なら莉緒にこんな顔させないのに。
「きゃっ…」
俺は莉緒を抱きしめた。
「莉緒っ、俺じゃ…俺じゃ、駄目?
俺だったら莉緒にそんな顔させない、泣かせたりしないから…!」
沈黙が辛かった。
暫くしてから莉緒は答えた。
「……臨也の事、嫌いじゃないよ。
でも、静雄の悲しむ顔は見たくないの。
…ごめんね。」
「謝らないでよ…」
そう苦笑いすると、
莉緒はもう一度ごめんと言って帰って行った。
俺なら、
俺なら莉緒を悲しませたりしないのに。
届かない思い、
キミの隣に
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