捧げ物 | ナノ

 緑間:そんな君が一番好き

秀徳バスケ部のマネージャーの私は海常対桐皇の試合をみんなと見に来ていたはずなんだけど・・・周りに見知った顔がいない。
まあ、お手洗いに行ったらどこら辺で見てたのか分からなくなって今に至るただの迷子なんだけども。
でゆーかあれだよね、秀徳って目立つ人いないよね。
座ってたら長身の主将もそんなに目立たないし、髪の色だって宮地先輩と真太郎を除いてみんな黒いし。でも金髪なんてザラにいるし、真太郎来てないし・・・
もう高尾、ホークアイ使って絶賛迷子中の私を見つけ出してくれ。いや、むしろホークアイください。
なんて思いながらキョロキョロ歩いていると緑色の頭を見つけた。

『真太郎?』
「な!なぜわかった」
『それ変装だったの』

どうやらメガネをサングラスに変えただけで完璧な変装だと思ってたらしい。
真太郎って頭いいしバスケもすごいのに、なんとかと天才は紙一重って言葉がぴったりだ。
どうかしたのかと聞かれたから迷子になったと答えるとバカめ。と返ってきた。
今の真太郎には言われたくないのだよ。
コートに目を移せば残り数秒のとこで今吉さんがシュートするのが見えた。

『わ、見た!?ブザービーター!今吉さんかっこいー!』
「・・・お前は一体何を見に来たのだよ」
『え?今吉さんの勇姿』
「な・・・」

今の放っただけに見えたけどちゃんと狙ってたのかな?
あ!今吉さんが目ぇ開けてる?開けてるよねあれ!かっこいー!
なんてインターバルに入って人が行き交っている中、人の目も気にせずに騒いでいると頭に突然の重み。
となりを見ると真太郎が腕を私の方に伸ばしてるのが見えてこの頭に乗ってるものは真太郎の手だとわかった。
でも・・・あれ?

『いたたたたたた!痛い!違うよ今掴んでるそれ私の頭!ボールじゃないからいたたたた!』
「そんなこと言われなくてもわかっている」

知ってるかな真太郎。
男子高校生の握力の平均はね40kgを超えてるの。
真太郎はボールを扱う部活に入ってて体格もねいいわけでしょ?だからきっと40kgとかゆうに超えていると思うんだ。
そんな人に力いっぱい頭鷲掴みにされたらかなり痛いのだよ。

「お前は俺のバスケが好きと言っていたな」
『そうだけど何?唐突に』
「なら世良は俺のバスケだけを見ていればいいのだよ」

クイっと眼鏡のブリッジを上げて放たれた言葉に思わずポカンとする。
なにこの天然タラシ・・・

『ねえ、もしかしなくてもさー嫉妬?』
「悪いか?」
『え、』

てっきり思い込みが過ぎるのだよ。とか、そんなわけないだろうバカめ。とか言われるかと思ってたのに何なのホントに調子狂う。
ダメだ今絶対顔赤い・・・。
それを隠すために手で顔を覆った。
少ししてちょっと顔を上げると真太郎が手で顔を覆っているのが見えた。
うわ、これあれだよ。言ってから自分が何を言ったのか理解したパターンだよ。
やっぱり真太郎は天然タラシだ。

『うん、そんな真太郎が一番好きだよ』
「おおおお前はバカか!そんな恥ずかしいことをいとも簡単に・・・」
『しんたろ、顔真っ赤なのだよ』
「真似をするな。世良も大概なのだよ」



「ブフォ!真ちゃんマジ真っ赤!」
「なあ、轢いていい?もうあいつら轢いていい?」
「落ち着け。パイナップルならいつでも貸すぞ」

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