※24じかんてれび注意



「愛は地球を救う?」

存外だ、とでも言うかの如く、目の前のソファーに腰掛ける臨也は首をすくめた。

「だってこの世の全てはお金と情報でしょ?」
「お金や情報じゃ、愛は買えないだろ」
「愚問だね。最近じゃ買えるんだよ」

それは極端な話だと僕は思う。
詭弁かもしれないけど、本物の愛っていうものは、汚い欲や誘惑や脅しでは揺るがないものなんじゃないのかな。例えばそう、人間と妖精の種族を越えて愛し合う、私たちのように!今頃は愛馬と池袋を疾走しているだろうセルティに俺は想いを馳せた。

「大体、この番組の主旨だって、募金を募ることじゃないか。どう見たって、金の力で世界を救ってるよね?」
「でもそのお金は皆が愛を持って出したものだよ?」
「愛?偽善と哀れみと優越感の間違いだ」

臨也は、馬鹿にしたようにテレビの画面に顔を向ける。

「大体、このマラソンも訳分かんないよ。毎年毎年、人を代えては無駄な努力を負わせてさ。これ走り切って、一体周りの何になるっていうの?」

何が面白いのか、けらけらと液晶の向こうを見つめて、

「身体に異常が起きるのだって、八割はスケジュール通りにいかせる為だろ。番組の進行に合わせて走るとか、本当、人間ってものは滑稽だよね」

テーブルの紅茶を再び啜る。冷めてしまっているのは間違いない。
ああ、お代わりなんて受け付けないよ。いきなり押しかけてきておいて居間を占領してる奴にあげる温かい紅茶なんて、うちには置いてないからね。

「応援してる人たちも、いきなり歌い出したり、ゴールしたと思ったら馬鹿みたいに泣いちゃって。お前らが何をしたって言うんだよ!」

臨也、君ってやつは本当に無駄に敵を作るね!同じような企画をしてる他局も同時に敵に回したってことになるけど、大丈夫なのかい?情報屋としては中々の凡ミスじゃないかな。

「まったく、面白い。面白いよ!これだから人間は――」
「臨也」
「んっ」

臨也の隣で真剣にマラソンを見つめていた静雄が、キスをした。
誰にって、臨也に。

「煩え。聞こえねーだろ」
「…はあい」

ねえ臨也に静雄、君達こそ愛が地球を救う良い例なんだけど、自覚はある?


らぶあんどぴーす
(僕の家で同窓生がいちゃつくところなんて、見たくもないんだけど)

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臨也の台詞で不快になってしまった人すみません。全くのフィクションです。
この二人が静かなら地球は平和!




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