悪循環


『別れやしょう』



頭の中でこだまする言葉
自分で言ったことなのに、とても後悔して


『…ああ』


もしもアンタが、もう少しだけ悩んでくれたら
引きとめてくれたなら
望みが持てたのに


…なんて言っても もう遅いから
とりあえず明日からは今まで通り過ごそう
そんな風に思うけど


「諦め、らんねぇよ…」


だって今でも好きだから
でも、アンタが他の奴を好きになっちまったら
…しょうがねぇじゃねぇか


Sは、打たれ弱いんでィ







告白してきたのは土方さんだった
俺も同じ気持ちだったから、付き合うようになった
それから少し経って…


「あれ?何やってんの総一郎くん」
「…総悟でさぁ、旦那…」


暇をもて余して街を歩いていた俺の目の前に現れた銀髪の侍
土方さんは、いつの間にかコイツに惚れてたんだ


「元気ないじゃん、どしたの?」


それは、アンタのせいでさぁ


「沖田くん?」


いや、アンタは悪くないや
だって、アンタが土方さんを好きなわけでもないし…


「ち、ちょっと…何?何で泣いてんの…?」
「…え?」


旦那に言われて気付いた
俺、何で泣いてんだろ


「俺で良かったら聞くよ?」
「旦那…」


ダメだ
今、こんな状況だから、旦那にまで頼ろうとしてる


「…旦那、好きの反対って知ってます?」
「はい?」
「好きの反対って、嫌いじゃないんでさぁ。興味がないこと、が正解です」
「…」
「…好きな人に…興味、なくされちゃいました」


でも、今だけは頼ってもいいよな?


「…こんな話しちゃって、すいやせん。忘れてくだせぇ…」
「いや…忘れらんねぇかも」
「え、勘弁してくだせぇよ旦…」
「…土方じゃなくて、俺じゃダメ?」
「え?」
「俺、沖田くんが好きなんだけど」



目の前が、真っ白になった



悪循環



(土方さんは、アンタのことが好きだっていうのに)
(俺は、まだ土方さんが好きなのに)




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移転
土沖というか土沖銀


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