今がいい


ある日の昼下がり
書類整理をしている俺の元に総悟(恋人)がやってきた

…なんで、こんな忙しいときに
最近、総悟はいつも仕事中にやってくる


「土方さーん」
「あー?」
「暇」
「俺は暇じゃねぇ」
「ねぇ、土方さ…」
「…ちょっと黙ってろ。っていうか、お前は仕事しろ、仕事」
「嫌」
「嫌じゃねーだろ!なんで暇なお前より俺の方が喋ってるんだよ!」
「さすが土方さんだ、死ね」
「…なにがどうして『さすが』だ」
「あれ、死ねについては 突っ込まないんですかィ」
「…」
「挙句の果てに無視かよ土方ァ」
「…」
「これ以上無視したら殺しちゃうぞー」
「…」
「…ねぇ」
「…」


かまっていちゃいくらたっても仕事が終わらない

しばらく無視していると、総悟は部屋を出て行った


「ひ…土方コノヤロ…も、いいでさ…っ」


仕事邪魔されるなんてたまったもんじゃねーよ…
まぁ、付き合ってるわけだし、総悟が来るのもわかるけど
でも最近は酷すぎる
いつもいつも突っかかってるけど、今日はさすがに止めてみた

けど

…まさか泣いてた…ワケ、ないよな







アイツ…どこ行ったんだ

結局俺は、素晴らしい速さ(…と、言っても1時間くらい経ってるんだけど)で仕事を片付け、総悟探し

廊下を歩いていると、中庭でミントンをやっている山崎を見かけた
アイツ、何サボってやがる…
と思ったが、今日は山崎が休みだったことを思い出すかわりに総悟の居場所を問いただした

「山崎」
「あ、副長」
「総悟見なかったか?」
「隊長ですか?それなら今俺とミント…」



「…あれぇ?土方さんじゃねーですか」



後ろから総悟の声が聞こえた


「総悟!」
「…山崎、ミントンの続きしようぜ」


…は?

「おい総…」
「ちょっと土方さん、静かにしてくれやせんか?ミントンするんで」
「あ、あのな…」
「山崎ーいくぞー」
「あの隊長…?副長が」
「…いいんでィ、あんな奴無視すれば」


無視…?
え?なんで?
あれ?さっきのが悪かったからか?



しばらく そうやって考えていたら、ミントンの羽を追っていた総悟が、後ろに下がってきたらしく
周りのことまで気にしていなかった俺は、それにぶつかって倒れた


「おわ!?」
「あ…っぶねーな、総悟!」
「ア、アンタが邪魔なんでィ!」


そう言って起き上がろうとする総悟の耳が、なんだか赤くて可愛いと思ってしまったので
後ろから抱きしめた
もう山崎がいるとか 関係ない


「離せ土方ァァァァア!!」
「ほんとは嬉しいくせに」
「嬉しくねぇ!離せ!」
「俺に構ってほしかったんじゃねーの?」
「!!」
「…仕事終わったら構ってやるのに」


そうだ、仕事中じゃなきゃ話したり、出かけたりするのに
そういうと、総悟は顔を俯かせたまま呟いた
その言葉は意外で、でも やっぱり可愛いと思ってしまった


今がいい


「アンタの仕事の邪魔しようと思いやして」
「…お前が言うと本気に聞こえるんだけど」
「本気ですぜ?」
「…え?」

(アンタにかまってもらいたいの)



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移転
ごめんなさい!
ちょっとひどすぎて手直ししたくないレベル←



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