それじゃあ、おやすみなさい


「…じゃ、おやすみ」
『おやすみなさーい』


総悟の声が途切れたのを確認して、携帯を切る
…そう、携帯を

別に、どちらかが出張というワケでもなく
ましてや恋人同士…だよな?
まぁ、とにかく携帯で話す必要なんてないワケで
なのに携帯なんて使ってる
理由?そんなの知らねぇ


言い出したのは総悟
『付き合ってるなんてバレるの嫌なんで、夜話す時は携帯でいいですよね』

…夜、話してたらバレるのか?
いや、バレないだろ
アイツ、また何か考えてんのか?
夜は、俺を抹殺する儀式で忙しいくて会いたくない、とか
…ないよな?

ともかく、明日 確認することにしよう
そう誓って俺は眠りについた









次の日


電話を終えた後、すぐに総悟の部屋に直行して声をかける


「…総悟、入るぞ」
「ひ、土方さん!?」


襖を開けると驚いた総悟が携帯を握りしめたまま座っていた


「…な、何の用ですかィ?」
「いや、用っていうか」
「用があるならっ、早くしてくだせェ!」


…何だ、この空気
総悟が変だ
何で正座してんだよ!
何でそんな声ひっくり返ってんだよォォォ!


「…おい、お前、何か変じゃねえ?」
「!!いや、別に…」
「…なんか、緊張してるみたいな」
「別に、そんなんじゃ」


あれ?
まさか図星?



っていうか、緊張って何に?


「…マジでどうしたお前」
「…」
「いや、言いたくないならいい。じゃ、俺はこれで失礼す…」
「待ってくだせぇ!」


立ち上がった瞬間、腕を捕まれた


「…怖かったんでさぁ…」
「え?」
「でも、土方さんがしたいって言うなら俺…」
「え、ちょ、待っ」
「俺…っ、初めてなんで…っ」
「ちょ、ストップ!!」


い…いきなり何て事言い出すんだコイツ!


「…何、それ」
「え…違うんですかィ?」
「その前に、全然意味が分からん」
「…え」


総悟は、さっきよりも驚いた顔をしていた
いや、驚いてるのこっちだからね



「だって旦那が…大串くんなら付き合って1ヵ月もすれば襲うよ、って…」
「はぁ?」
「だから、夜は襲われるんじゃないかと…身の危険を感じて、会わないようにしてるんじゃないですかィ」



…あぁ、そういう事
俺に襲われるんじゃないかって…



「だから携帯か…それより万事屋!なんつー事抜かしてんだ!!」
「土方さん、俺に言ってもしょうがないですぜ」
「お前も鵜呑みにしてんじゃねェよ!俺ァまだそんなつもりはねェ!」
「…まだ、ってなんですかィ」
「いや…」


そう言いかけた時


「まぁ、添い寝くらいはしてやりまさぁ」


ぎゅっ、と総悟が抱きついてきた


「総…」
「今日のところは これで勘弁してくだせぇ」
「…今日は、な」


そんな総悟が可愛く思えたので、おでこにキスしてしまいました。
…って作文んん!?


それじゃあ、おやすみなさい


「…ところで、携帯の方はもういいよな?」
「…検討中」
「なんで!?」
(ちゅうしてくるなんて…思いっきり手ぇ出してんじゃないですかぃ)



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移転
なんというギャグ


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