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恋人繋ぎ(1/2)









「昴、私ちょっと出かけてくるね」



ヒョコッとリビングに居る沖矢へと向けて顔を覗かせれば彼は首を傾げた。



「どちらへ?」



「んー?久々に服でも買いに行こうかと思ってね」



季節の変わり目でもあるし?と言えば、沖矢はフムっと何かを考え込んだ。




「昴?」



「りゅう・・・」



首を傾げて名を呼べば彼は顔を上げて私の名を呼んだ。



その行動にクスッと笑って「一緒に行く?」と言えば彼は一瞬驚いたような表情を浮かべた後、フッと笑った。



「えぇ、ご一緒してもよろしいですか?」



「丁度良かった、荷物持ちよろしく」



「・・・・そんなに買い込むつもりですか?」



りゅうの言葉に沖矢は少し顔を曇らせ、呆れたような表情をして言った。



「私ショッピングとかあんまり好きな方じゃなくてねー、買いに行くなら一気に買って暫く行かないの」



「ホォー?初耳ですね」



「まぁ、まだ日が浅いからねー、でも私が服とか買ってきたとこ見た事ないでしょ?」



「確かにそうですね」



「苦手なんだよね、人混みも、長時間買い物するのも・・・」



どこかげんなりした様子のりゅう。



「男の私からしてみればありがたいですね」



「その言葉、経験ありって感じだね?」



今まで付き合ってきた人は皆買い物好きだったの?と聞けば沖矢は考え出した。



「・・・・本気で考えるな」



ジョディや宮野明美・・・宮野明美はどうかは知らないが、ジョディなんかは買い物が好きそうだと小さく笑った。



「全く、何時間も何時間も・・・同じような服見て迷って・・・疲れないのかね、女って生き物は・・・」



どこか疲れたように溜息を吐くりゅうに、沖矢はやれやれと息を吐いた。



「あなたもその女という生き物だと理解してますか?」




「戸籍上そうですね」



「・・・・生物学的上そうでしょう」



でないと、私は‘何’と付き合ってるんですか?と沖矢は呆れたように溜息を吐いた。


「ほら、行くよ」


沖矢の言葉をスルーしてりゅうが言えば、「やれやれ」と言いながら立ち上がり、先に玄関に向かったりゅうの後を追う。









米花百貨店に着き、人の多さにげんなりし始めるりゅう。



「ねぇ・・・」



「なんですか?」



隣りに居る沖矢に声を掛ければ彼は平気そうな表情で(まぁ変装だから・・というのもあるかもしれないが)首を傾げた。



「帰ろうか」



「今来た所でしょう・・・;」



「じゃあもうちょっと空いてから・・・」



「ここはいつでもこんな感じですよ」


早く買い物を済まして早く帰るのが一番だと思いますけど・・・と沖矢に言われるが、一向に足を動かさないりゅう。




「ほら、行きますよ」


溜息を吐かれた後、ギュッといきなり手を握られて「へ?」と間の抜けた声が出た。



呆気に取られて動けないりゅうを沖矢はフッと笑みを浮かべて握った手をそのままにグイッと引っ張り無理やり歩かせた。



数歩歩いたところで漸く我に返ったりゅうは、一気に顔を真っ赤に染めて手をブンブンと振る。



「っ・・・ちょっ、放しっ・・・歩ける!歩くから!」




「くくっ・・・顔真っ赤ですよ?」



喉を鳴らす沖矢に赤井の姿が重なって、一瞬言葉を詰まらすも「放せーっ」と手を振るが、その手が放されることはなかった。



「そんなに恥ずかしがらなくても・・・折角のデート・・・何ですから」



チュッと握っている手の甲へと口づけて、翡翠の目でこちらを見る沖矢にバフンと更に真っ赤にさせて頭から煙を噴くりゅう。



「っ・・・分かったっ・・分かったからっ・・・」



人前でそういうことするの止めて!と小さく抗議の声を上げれば沖矢は満足そうに手を握ったまま歩き出した。



あー、恥ずかしい・・・と顔を反らしたままもう片方の手で口元を抑えた。



チラッと見たのはしっかりと握りしめている手、それは謂わば‘恋人繋ぎ’と言われている握り方で・・・・



すぐさま目を反らして、握っている手に少しだけ力を込めた。




少しだけ強く握られた手に一瞬驚き、りゅうを見る沖矢だったが、真っ赤な表情のままソッポを向いて歩いているりゅうの姿にクスッと笑い、沖矢も少しだけ力を入れてギュッと握った。




「・・・・・あんたがこういうことするとか・・・意外だった」



ソッポを向いたまま小さく呟いたりゅうに沖矢はにこりと笑った。




「そういうりゅうは、まさか手を握っただけでそこまで顔を紅くするとは意外でした」




「だっ・・・」



誰のせいだと・・・と大声を出しそうになって咄嗟に言葉を飲むりゅう。



「くくっ・・・俺のせいか?」



「っ・・・その口調止めてってば・・・」



今外だから!と小さく怒鳴るりゅうの顔は真っ赤なままで、沖矢は更に喉を鳴らした。



「・・・あんたは慣れてるみたいね」



私はこうやって外で手を繋ぐなんて・・・中学校以来だというのに・・・そんな事を呟けば沖矢は一瞬ピクッと反応を示した。




「・・・私も初めてですよ?外で、というよりデパートとかで手を繋ぐのはね」




「え?」



吃驚したような表情で沖矢を見る。




「そんなに驚くことですか?」



そんなりゅうに小さく首を傾げる沖矢。



「・・・・だってあんた今まで」



付き合ってた女、何人もいるでしょう?と問えば沖矢は「あぁ・・・」と呟いた。



「ほとんどの女性は手を繋ぐと言うより腕を組む方が多かったので」



ですので手を繋ぐと言う行為は初めてです。とにこやかに言う沖矢に少しだけムッとした。




「りゅう?」



「・・・何?」



「・・・・妬きました?」



「はっ!?馬鹿じゃないの!?」



いきなりの言葉に顔を再度真っ赤に染めるりゅう、そんな彼女に沖矢はククッと喉を鳴らす。



「私的にはあなたから腕を組んでもらいたい所ですが・・・・」



手を握っただけでそこまで真っ赤になるあなたに高望みはしませんと笑った



「っ・・・悪かったわね。慣れて無くて・・・」



どうせ恋愛に疎いお子様ですよ。と悪態吐けば沖矢はクスッと笑った。



「私は可愛いと思いますけどね?」



そんなあなたがいいんです。と聞いてるこっちが恥ずかしくなるような事をポンポンと言ってくる沖矢にりゅうはもう、顔を真っ赤にさせて「もう黙ってくんない?」と言うしかなかった。








・・・・・・・・・・・・・・
(あんた昴だとポンポンと言葉が出てくるね)
(そうですか?まぁ言葉で現わさないとあなたに振り向いてもらえませんしね)
(は?)
(沖矢昴の姿では・・・言葉であなたの気を引くしかないんですよ)
(っ・・・・)
(くくっ・・・赤井秀一の姿なら・・・言葉は不要だろう?)




ひろか様!5万HIT&映画記念リクエスト企画にご参加頂きましてありがとうございます!

のんびりショッピングで楽しんでいて新しい発見をすると言うリクエストでしたが・・・すいません;なんかまだ買い物来ただけで・・・楽しんでない事に今気がつきました・・・;
もしも違う話がいいとかでしたら、ひろか様のみ!書き直し依頼をお受けいたします!

楽しく書かせて頂きました!そして大変お待たせしてしまい申し訳ありませんでした><

またぜひ!遊びに来てくださいね!

本当にありがとうございました!






         おまけ→



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