×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

赤井+安室=暴露される(1/3)







懐かしい夢を見た。




それは私が幼い時の記憶。


あの時はお兄ちゃん・・といっても血の繋がりはない、幼馴染の年上の男の子がいつも一緒に居た。



ご飯も一緒に食べたし寝る時も一緒だった。



お風呂だって・・・一緒に入ってたなぁ・・・



私はそんな幼馴染の優しい笑顔のお兄ちゃんが大好きだった。


子供ながらに恋をしていたんだと思う。



だけど、お兄ちゃんからしてみたら私は‘妹’に過ぎなくて、告白する勇気もないまま時は過ぎた。


いつしか私自身も恋よりも家族愛の方がしっくりくることに気がついたんだーーー











「りゅう・・・」



「ん・・・・」



「りゅう・・・」



「・・・むぅ、もう少し寝かせてよ・・・ゼロお兄ちゃん・・・」





ピクッ・・・・



布団で丸まって寝ているりゅうの言葉に男は起こす為に揺すっていた手をピタッと止めて、眉を微かに顰めた。




「・・・・・・・」



「りゅう」



先ほどよりも幾分か低い声にりゅうは気づかずに言葉を続けた。



「もぅ・・・うるさい・・・・ロ・・・にちゃん・・」




「ホォー・・・・?お前は俺の家に泊まりに来て誰の夢を見ているんだ?」




「・・・・・ふぇ?」



むにっと頬を摘ままれて漸く目を開けたりゅうだったが未だにボーっと寝ぼけていた。




「・・・・・おにぃ・・ちゃん・・あと五分〜・・・・」




「・・・・・・」



むにゃむにゃと目を閉じ、その手に擦り寄る様なりゅうの行動は可愛らしかったが、何分間違えられていることが気に食わない。



むにっと摘まんでいた指に少し、いやかなり力を入れる。



「いっ・・たたたたたっ・・ちょっ・・痛いっ!」



もう!何!?と布団から飛び起きるりゅうに、漸くその頬から指を外す。



相当痛かったのか頬を摩りながら多少涙目で元凶である男を睨みつけた。




「・・・・・・」



しかし彼は不機嫌そうにりゅうを見つめている。




「・・・・・あ」



そこで漸く自分がした失態に気がついた。



「・・・しゅ・・秀一?私・・なんか言ってた・・・?」




痛む頬の事などもう吹っ飛んでいて機嫌の悪そうな恋人の秀一の姿に恐る恐る口を開けば無言のままの彼。



「秀一・・・」



「昨日の夜急に来たと思ったら泊まると言い出した癖に他の男の名を呼ぶとは・・・随分だな?りゅう・・・?」




不機嫌なオーラから一気に意地悪なドSオーラを醸し出し始める秀一の表情はそれはそれは逃げ出したくなるほどの笑み。




「っ・・・ごめん!本当にごめん!でもさっ・・しょうがなくない!?寝ぼけてたり寝言まで私知らなっ・・・」



「ホォー?」



ベットの上で逃げる事は不可能で徐々に距離を詰められる。




ーーートンっと背が壁に当たり、秀一と壁の間に挟まれた。



「ちょっ・・待ってっ!ごめんっ・・ごめんってばっ!」



近づいてくる秀一の胸板をグイッと押し返そうとするが逆にその手を両方壁へと縫い止められた。



そして身動きも出来ず、腕を壁に縫い付けられたまま口づけを落とされた。



「んっ・・・ちょっ・・秀っ・・」



最初から荒々しい口づけに内心「あー・・結構怒ってる・・・?」と思いながら諦めにも似た思考が頭を過った。



昨日の夜無理やり押しかけて泊まったにも関わらず、秀一は来たお前が悪いと言わんばかりに気絶するまで求められた。



「んっ・・・はぁ・・(結構身体きついんだけどなー・・・;)」



昨日の夜と言っても朝方まで行われていた行為にまだ怠さが残る身体。



「・・・考え事か?」



余裕だな・・・と喉を鳴らしながら言う彼の表情は楽し気で、本能的にやばいと悟った。




「ちょっ・・待って!秀一!ゼロお兄ちゃんの事はっ・・・」



悪かったと思ってる!と言おうとしたのが間違いだったかもしれない。




またも強引に口づけられるそれに息が苦しくなってきて、目には生理的な涙が浮かぶ。




「ホォー?お前はまだバーボンの名前をここで出すのか?」



「っ・・・・・」



相当可愛がってほしいみたいだな?と喉を鳴らす秀一に、息を呑み、これ以上余計な事を言って彼の機嫌を損なう前に口を閉じ、諦めた方が利口だと悟る。



いや、もうすでに遅いかもしれないが・・・



これ以上、彼の行動がエスカレートせぬようにと、もう何も言うまいと口を閉ざす。




口づけを落としたまま服を脱がしにかかる秀一に身を委ねようとしたその時ーーー




ピンポーン!



鳴り響いた音に秀一もりゅうも一瞬止まるが、秀一はすぐに行為を再開し始めた。



「んっ・・・ちょっとっ・・秀一っ・・・誰か来たっ・・・・んっ」




「放っておけ・・・・」



そのうち帰ると言われて、何を言っても無駄だと溜息を吐いた。



しかしーーー



ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン!!




連チャンで鳴り響く呼び鈴に、秀一はイラッとしたのか、口づけを離し、玄関の方を睨みつける。




「・・・・秀一?開けた方がいいんじゃない?」



急ぎなのかもしれないし・・・と恐る恐る言えば「知らん」の一言。



そしてまたも再開される行為にりゅうはどうしよう?と考えるも抵抗など出来なくて・・・




ーーーードンドンドンドン!!!



呼び鈴が鳴らなくなったと思えば次は扉を思いきり叩く音が鳴り響く。




「・・・・・・」



「・・・・・秀一、近所迷惑」



止まる秀一に、ボソッと呟けば秀一はハァーと溜息を吐き、ベットから降りてバッとシャツを羽織った。




りゅうも、身なりを整えながら、内心助かったと安堵し、秀一の後について寝室から出た。



寝室から出ればいきなり秀一がりゅうの前に立ち、背にりゅうを隠す様に立ちふさがった。




「秀一?」



「シッ、黙ってろ」



いきなり言われる言葉と、秀一が手に持っている物に気がついて目を見開くりゅう。





「へ?なんで銃なんかっ・・・・んっ」




「黙ってろ」




慌てたように言えば秀一に口を無理やり手で塞がれた。



視線でドアの方を指す秀一にりゅうは目を向ければ、鍵がひとりでに回っている所だった。




「!!」



分かったか?と視線で訴えられればコクコクと頷く。



すると秀一は塞いでいた手を外し、両手で銃を構えた。




りゅうは心で「ご愁傷さま」と呟いた。



FBIの、しかもよりにもよってこの赤井秀一の家に空き巣に入ろうとする輩がいるとは・・・




まぁ、赤井秀一がどんな人物かは分からずに入るのだろうが、犯人にとって不運であることには変わりない。





「・・・・・・?」



そこまで考えた後にはて?と首を傾げるりゅう。




空き巣関係だとして、あんなに呼び鈴を鳴らしたり、ドアを叩いたりと目立つ行動をするだろうか?



それが組織であっても同じ事、奴らがそんな事をするとは思えないし、奴らが命を狙ってきているのなら秀一が気配で気づくはず・・・




そこまで考えたりゅうはある一つの仮定を思い浮かべ、サァっと顔色を蒼くした。



next



back