魅せられ見せて(2/2)
「いきなりなにするかな!!!?」
外で盛んないでよ!と顔を真っ赤にしながら服を整えるりゅう。
「そういうあなたも乗り気だったでしょう?」
「っ・・・・・」
フッと笑みを零す沖矢の言葉にりゅうはカァッと頬を朱に染めあげ「うっさい!」と鳩尾へと一発入れた。
「・・・・そもそも、あんたさっき時と場所は弁えるって言ってたのにいきなり何よ?」
赤い顔のまま呆れたように沖矢へとジト目を向けるりゅう。
「うーん・・・・強いて言うのなら」
「?」
「あなたと同じ理由、ですかね?」
ニコッと笑みを浮かべる沖矢に怪訝な表情をし「はぁ!?」と声を発した。
「桜の木に対してあんな表情をして・・・少し妬けました」
「妬け・・・?だめだ、益々意味が分かんない」
はぁ、と額へと手を当てて小さく溜息を吐く。
しかも桜の木に妬くとか本当に意味わかんない・・・
「あなたが私に見惚れた様に、私も桜の木を見つめるあなたに見惚れて理性が抑えきれませんでした」
「・・・・・はっ!?な、見惚れっ・・・はぁ!!?」
ってか、私が昴に魅入ってたのもば、ばれっ・・!!?
一度引いたはずの熱が、また一気に再熱し頬が朱に染まった。そんなりゅうを見て沖矢は変声器の電源を切り、彼女に近づいた。そしてりゅうの耳元でこう囁いた。
「そんな顔をするな。また抱きたくなるだろう?」
「っ・・・・ばか」
楽し気に喉を鳴らす沖矢と、顔を真っ赤に染めたまま俯くりゅうを満月と桜の木が見ていた。
チャンチャン
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