友情、という感情の延長線上にはいったい何があるのだろう。ずっと隣にいてずっとお互いが大切で、ずっとこのままでいられるはずだったのに。
 俺はついに頭がイカれたのか、自分の肩にもたれかかっている幼馴染みをとても愛しく感じるようになってしまった。まだ経験も少なくて子供な俺には、好きだ、愛してるとか陳腐な台詞しか思い浮かばないけれど。

「ん…、きり、の」

 ぱちぱちとまばたきを三回、ごしごしと目を擦る。「寝てた、ごめん」と謝罪の言葉を口にした神童に、気にするなと言うと「今どこら辺だ?」と尋ねられた。

「降りる駅、まだずっと先だ。神童疲れてるだろ?着いたらちゃんと起こしてやるから寝てろよ」

 そうか、すまないと言ってまぶたをそっと閉じる。

 ―ああ、愛しい。




(またこんなありふれた台詞を口にしてしまう)


- - - - - - - - - - - - - - -
ほんわかな幼馴染みを書くといつもこうなる。けど風円は幸せいっぱい蘭拓はちょっと暴力的なイメーーージ

2011/9/12
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -