ただひたすら会話文
×より+な内容
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「…優一、黙ってて、ごめん」
「………。」
「お前に、嘘、ついてて…ごめん」
「………。」
「今、中学サッカー界はフィフスセクターに支配されてる。…それに逆らえば、サッカー部は廃部になるかもしれない。だから俺たちは従ってたんだ。でも、あいつ…松風が、この状況を変えようとしてる。何か被害が及ぶのが恐くて、俺はサッカー部を辞めた。黙ってて、…ごめんな。本当は、関係者以外には知られちゃいけねーから秘密にしておかなくちゃいけないんだけど」
「…篤志は、そんなサッカーして、楽しいのか?」
「楽しいわけないだろ。まあ、たまーにマトモな試合はあるから、その時のために我慢してるって感じだな」
「…おかしいとは思わなかったのか?」
「思ってたよ。こんなの絶対おかしいってな。でも、今から始まったことじゃないんだ。10年前、サッカーが社会現象になるほど人気になってからおかしくなったんだよ。サッカーの強さで学校の価値が決まるなんて馬鹿みてぇじゃないか?他のスポーツやってるやつらから見たら、迷惑極まりないわけでさ。そんな馬鹿みたいなのがもう10年も続いてきて、ついにフィフスセクターまで出来た。もう俺たちなんかにどうこうできるレベルじゃないんだ…、マジな話で。」
「…でも、だからって、」
「そんなのはおかしい、だから今更…俺に戻れっていうのか?」
「…今なら、大丈夫だ。この試合、勝敗指示が出ているんだろう?皆フィフスセクターに逆らってるじゃないか。だから、サッカー部に戻れ。」
「………。」
「…篤志、」
「俺はさ、逃げたんだよ。フィフスセクターに逆らうのは構わない。でも、俺達のせいで皆に迷惑をかけてしまったら、なんてずっと思ってた。つまり、恐くて逃げたんだ。…でも、優一が、いるなら」
「優一が背中を押してくれるなら、大丈夫な気もしなくはないかも…な」
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好きよ色気組
2011/8/29