「兄さん」
「…なんだ?」
「いや、なんでもない」
「そうか」
「…兄さん」
「どうした?」
「いや、やっぱりなんでもない」
「はは、おかしな奴だな…」
「京介、って呼んで欲しいんだろう」
「…なっ、そんな、こと…は」
「あるだろ?」
「……。」
「京介は小さい頃から俺に甘えてばっかりだったもんな。甘えたいなら、いつでもなんでも言え。できる範囲内で、甘えさせてやるから」
「…兄さん、俺…もう中学生だ」
「中学生になろうが高校生になろうが大人になろうが、お前は世界中でたった一人の、大好きで大事な弟だよ」
(…弟。)
(ああ、やはり、)
(所詮、俺は弟のまま。)
(兄さんへの恋心が報われることはないのだ)
(これから一生、どこまでも)
「…俺も、兄さんのこと、大好きで、大事だ」
だから、せつない
あなたの
声が聞きたくて
(この関係は途切れることもなければ、変化することもない)
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兄弟で、しかも男を好きになるって、根はまじめな京介は辛いでしょうね。どうしたらいいのかも分からないまま一人で悩んでる京介に手を差し延べてあげたい
2011/7/23