夏休みも終わり、今日は委員会で使う部屋割りを決める会議が行われていた。
瑠香は元々使っていた部屋から会議で決まった部屋、応接室へと荷物を運び込む役目を任されていたのだが………



―――ドガァアンッ!!!




瑠香「ひゃあ!!?


爆音ですよね、今の!!?」




もくもくと応接室から出ている煙に慌てて応接室に入る。
応接室は今日、風紀委員会に使用許可が出たばかりだ。
その様な場所で何かが起こったとなれば雲雀が許さないだろう。
応接室の中を確かめると平気な顔してまた「会いたいな、あの赤ん坊」と呟いている雲雀がいた。
どうやら今の爆発は雲雀も周知の上のようで、機嫌が良さそうなところを見ると何かいい事があったらしい。




芽埜「(爆破音でいいことってあんまりないがしますけど……先輩ですしね。
ありますよね、そりゃあ)

先輩、」

雲雀「ああ、君か」

瑠香「一体何があったんですか?」

雲雀「くす。君は知らなくていいよ。それより……掃除、しておいてね」




そう言って出て行ってしまう雲雀を見送り溜息をつく。
何があったのかも、聞くことが出来なかった。
箒や雑巾を取り出しながら瑠香はもう一度溜息を零した。




瑠香「沢田くん、おはようござ…」

ツナ「Σヒィ!!!ゆ、許して!!!」

瑠香「Σえっ…逃げ…、ええっ!?」




後日、風紀の腕章をしている瑠香を怖がるツナの姿があったとかなかったとか。














あれからツナの周りでは色々あった。
殺したと思っていた男が<殺され屋>なる者であったり、
居候しているランボの保育係を決めたり、
自分のバースデーパーティだと思っていれば自分の家庭教師のものであったり、
自身の兄弟子だというディーノが来日してきたり、
兄弟子と修行云々という理由で山に行って遭難して、入院沙汰になったり、
授業参観があったがリボ山という教師のせいでハチャメチャになったり……。
それから時は流れ時は2月に入ろうとしていた。














芽埜「〜♪、もーっすぐバーレンタインー♪今年は紗魅ちゃんと友チョコ交換するって約束したもんね!楽しみ!


あ、それから翔樹くんに蘭くんに彪くんにも渡さなきゃ。勿論綱吉の分は他より愛情こめて大きく作っちゃったりして!」




きゃーっとひとりはしゃいでいる芽埜の横を誰かが通り抜けた。
その後姿は見慣れたものであり彼に声をかけた。




芽埜「獄くん急いで何処行…、うわっ!!?」

獄寺「テメーも来い!!!」



獄寺に腕を引かれて走らされる。
途中山本にもあったがこの状況が何なのか彼も理解出来ていなかった。
……とういうか寧ろ山本は面白そうだと思ってついて来ただけなのだが。




獄寺「十代目〜!何で俺に教えてくれなかったんスか!?ランキング小僧が来てるって!」

芽埜「(ランキング小僧……?)」




獄寺は「前から聞いてみたかった事があった」と階段を上っていく。
状況が理解できていない芽埜はただただ首を傾げるのみ。




獄寺「十代目の右腕にふさわしいランキングで俺は何位なのか!!出来るのか、ランキング小僧」

フゥ太「簡単だよ。ツナ兄の右腕にふさわしいランキングでしょー。


いくよ、隼人兄の順位は………




――――圏外

獄寺「Σなにー!!!」

芽埜「(何だそれー!!!!)


ランキングに圏外とかあったっけ!?」



だがただの圏外ではなく大気圏外―――つまりは地球の外だという。
ランキングは結構厳しかった。




山本「アハハハ!また面白ぇーやつだなー」

ツナ「(また山本遊びだと思ってる…)」

フゥ太「でも隼人兄、マフィアのファミリーの右腕だけが仕事じゃないよ。隼人兄は保父さんに向いてるランキングでは8万2千203人中1位なんだし」

ツナ「いつもランボと喧嘩してる獄寺くんが…(ガーン」

ハル「保父さんですか―――!!?(ゴーン」

フゥ太「隼人兄は子供好きランキングでも8万2千203人中2位なんだもん!ぴったりじゃないか」


『WITH・KIDS!』な獄寺に本人だけでなく周りもショックを受けている。
張本人である獄寺はサァッ…と顔を青くしていた。




「さすがフゥ太だわ!見事なランキングさばき。でも、大事なのは愛よ」




芽埜がゆっくりと上を見るとべったりと天井に張り付いている女性を発見。
2、3回瞬きを繰り返すと芽埜は目を見開いて叫んだ。



芽埜「Σひゃあ!!!!ホラー!!!」

ツナ「Σヒイイイ、ビアンキー!!!」



芽埜はツナから彼女についての説明を受けた。
彼女は獄寺の姉で、ポイズンクッキングという技を使う殺し屋。
そして獄寺は彼女を見ると腹痛を起こすのだと。




芽埜「じゃ、じゃあ今ビアンキさんを見ちゃったし………。だ…大丈夫?獄く、


Σ獄くんがいろんなショックで石化してる―――っ!!!」



石化している彼を必死に元に戻そうと頑張る芽埜の横で「愛のランキングを作って誰が誰を愛しているか証明する」という提案が出された。
リボーンは面白がってそれを了承。
フゥ太もやる気でランキング星と交信をはじめてしまう。



フゥ太「じゃあ、まず芽埜姉」

芽埜「え、芽埜!?

いやいやいや、いーよ、いーよ!
芽埜なんて後でいいってばー!
(恥ずかしいしやんなくていいよ――っ!!!)」

フゥ太「第一位は…………



―――隼人兄

芽埜「え…?」

獄寺「は…っ?」




フゥ太の言葉に獄寺の方を見れば目が合った。
その途端何故かかぁっと顔が熱くなる。




芽埜「(えっ、えっ?芽埜…獄くんが好き、なの…?)」



この場合の芽埜の<想い>は人に言われたことによりそう思い込む錯覚のようなものでしかない。
だが赤くなった頬を見て歓喜する人間が1人いた。
ビアンキである。



ビアンキ「まあ!芽埜が私の義妹になるのね!!」

芽埜「ひゃっ!?」

ビアンキ「貴方を一目見たときから妹にしたかったのよ…!!」



ビアンキに抱きしめられ、もみくちゃにされる。
それと同時に獄寺が「はがっ」と倒れてしまう。



芽埜「(Σああっ、だ、大丈夫かなあ!?)

……って、ビアンキさん!!介抱しちゃ駄目ですよ!芽埜がやりますからー!!」




そうこうやっている内にツナの番になってしまった。




フゥ太「次、ツナ兄ね」

ツナ「Σえ、ちょ…っ、待…、うわ!!!」




ズルッと足を滑らせツナは宙に浮く。
心配する芽埜をよそにフゥ太はお構いナシでランキングを続けていく。




フゥ太「第一位は…」

ハル「ドキドキ」

ツナ「(あ〜〜〜!!!!)」

フゥ太「レオン

ツナ「Σう…うそ―――っ!!!」

ハル「ハルはとんだ伏兵に負けました。ハルのハートはこの大空と同じ大雨です…」



ハルがそういった瞬間浮いていたものが全部落ちてきた。




―――ゴンッ!!




芽埜「あいたっ!!!

(ううっ、本があたったよ…!)」

フゥ太「ん―――。」

ツナ「Σどーしたんだ、フゥ太!!」

芽埜「だ、大丈夫!?」

フゥ太「たるい」




床に寝そべってしまったフゥ太がそう口にした。




フゥ太「僕、雨に弱いんだ…。雨なんか嫌いだよ。
ランキングの能力がデタラメになっちゃうし…」

芽埜「ランキングの能力がデタラメって事は…?



Σ雨が降り出してからのランキングはめちゃくちゃって事ー!?」




雲雀恭弥と星の少年




ハル「んー、いつから降り出してましたっけ?」

芽埜「覚えてないなぁ…」




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