隊員「レヴィ隊長!!正体不明の侵入者はまっすぐここに向かっています!」




廊下を通り抜けていく影が纏うのは<風紀>の2文字。
それを持つ者は数が限られている。




レヴィ「おのれ!何者だ!!」

マーモン「どんなハエがくるか楽しみだね」

アイス「面倒……」

スクアーロ「う゛お゛ぉい!!」




ツナたちは何が起きてるのか理解できていない。




ツナ「な…何が起きてるんだ?」

バジル「何かがこちらに向かってきているようですが…」

リボーン「<あいつら>が修業から帰ってきたんだ」

芽埜「?」

ツナ「あいつら!?」




「ぐあぁっ」




レヴィと話していた隊員がやられる。
誰が来たのかと思っていれば現れたのは制服に身を包む……




ツナ「ヒバリさん!!それに、満樹さんも!!」




雲雀と瑠香だった。




ツナ「ヒバリさんたち…来てくれたんだ。本当にリング争奪戦に加わってくれるんだ…。


あの最強のヒバリさんと頼りになる満樹さんが…!!」

瑠香「ええと……。
集計するとですね、校舎の損害は相当な額です。窓ガラスや机、個人の教材なども外に落ちていました。

あと校内への不法侵入も加えられそうです」

雲雀「そう。


じゃあ、口内への不法侵入及び校舎の破損。

―――連帯責任でここにいる全員咬み殺すから。」

獄寺「なっ、俺達もかよ!」

ツナ「Σあの人たち、校舎壊されたことに怒ってるだけだー――!!」

山本「あいつら本当に学校好きな」




瑠香は並中にそこまでのこだわりはないのだが、雲雀が白というなら自分も白という人間である瑠香は並中を結構大事にしている。
雲雀がこだわっていなければ瑠香もここまでの愛校心は見せていないだろう。
瑠香はとにかく雲雀第一なのだ。




ラッド「あっちの守護者っぽいねー」

マーモン「みたいだね」

スクアーロ「どの道ガキかぁ」

レヴィ「よくも…俺の部下を潰してくれたな」




レヴィが怒りをあらわにし、武器へと手を伸ばす。



チェルベッロ「あなた方は沢田氏側の守護者ですか?でしたらこのような行為をされては…」



レヴィ「どけチェルベッロ。奴らはただの不法侵入者だ!!!」

瑠香「邪魔ですよ。正確な集計ができないのでどいてください。

ただ突っ立ってる巨体には興味がありません」




―――ヒュッ、ガシャンッ!!




ファレス「…!」




瑠香により鎖が絡まされた足。
瑠香は鎖を引くとレヴィを軽々と転ばせた。




芽埜「すご…い…」

獄寺「あのバカ共、出てくるなりメチャクチャしやがって」

ツナ「でもすごいよ。ヴァリアーの攻撃をいとも簡単に。しかも反撃してるし!」

山本「ああ、さすがだな」

バジル「できる…!何者なんですか?」

リボーン「奴はうちの雲のリングの守護者にして並中風紀委員長、雲雀恭弥と、その補佐で星のリングの守護者、満樹瑠香だ。


ついでにあの2人は俺のくっつけたいカレカノ候補だぞ(ニヤリ」

雲雀・瑠香「!?」




マーモン「雲と星ということはゴーラ・モスカとファレスの相手だね」

スクアーロ「マーモン、奴をどう思う」

マーモン「たしかにレヴィはヴァリアーでも鈍重なうえに故障しているがそれを差し引いてもなかなかの身のこなしだね」



レヴィ「おのれ〜っ」



スクアーロ「やはり貴様は術士だな。剣士のオレには止まって見えたぞぉ。


う゛お゛ぉい!!貴様ら何枚におろして欲しい!!」

雲雀「ふうん。次は君?


僕の瑠香に勝てるの?」




瑠香はいつから雲雀のものになったのだろう。
そして当人は……




瑠香「負けませんけど、いいんですね?」




すごく生き生きしていた。
分かりやすい瑠香に雲雀は小さく笑む。

なんて操縦しやすい子なんだろう、と。




チェルベッロ「守護者同士の場外での乱闘は失格となります」

了平「なに!!」

ツナ「やばいよ!」

山本「まーまー落ちつけってヒバリも満樹も。
怒んのもわかっけどさ」

雲雀「邪魔だよ。僕の前には立たないでくれる」

瑠香「校舎破損の事はまだ許していません。

退けってんですよ、コノヤロー(にこ」

ツナ「(Σ満樹さんキレてる―――!!超怖ぇ―――!!!)」




2人して怒りの頂点なのか武器を構えた。
そんな2人を山本は素早い動きで交わし止める。




山本「そのロン毛は俺の相手なんだ。我慢してくれって」

雲雀「!」




スクアーロ「(ん゛ん?刀小僧の今の動き……)」




雲雀「邪魔する者は何人たりとも」瑠香「私達の邪魔をするのなら…」

山本「!!」

雲雀「咬み殺す」瑠香「咬み殺します!」

山本「やっべ!怒らせちまった…!!」

芽埜「(Σうわぁあ、どうなっちゃうの――!!?)」




そんな時、瑠香の肩にリボーンが飛び乗る。




リボーン「ちゃおっス、ヒバリ、瑠香!」

雲雀「赤ん坊かい?悪いけど今、取り込み中なんだ」

リボーン「ここで暴れちまってもいいが、でっけえお楽しみがなくなるぞ」

瑠香「楽しみ…ですか?」

リボーン「今すぐってわけじゃねーが、ここで我慢して争奪戦で戦えば、


―――遠くない未来、六道骸とまた戦えるかもしんねーぞ」

ツナ「え!」

リボーン「それで止まんねぇなら骸の一味である鈴音を特典でつけてやってもいい」

鈴音「ちょっと!!?」

雲雀「ふぅん本当かな。


………校舎の破損は完全に直るの」

チェルベッロ「はい。我々チェルベッロが責任をもって」

雲雀「そう……。気が変わったよ。僕とやる前にあそこの彼に負けないでね」

山本「え…」

雲雀「もちろん、君もだよ音羽鈴音。


行くよ、満樹瑠香」

瑠香「あ、はいっ」




そう言って去っていく雲雀にツナ達が驚く。
それもそうだろう。
<あの>雲雀が戦いをやめたのだから。




リボーン「それだけヒバリにとって骸から受けた屈辱はでかいんだ」

ツナ「つーか、あんな約束して大丈夫なのかよ!!」

リボーン「さーな」

ツナ「さーなって!

そ、それに鈴音さんが……って、ひぃっ!!!
(おっかない目ぇしてるよ!!!)」



スクアーロ「う゛お゛ぉい、刀小僧!!貴様、その動きどこで身につけたぁ!?気に入ったぞぉ!!


これで貴様の勝つ可能性は0%から…やはり0%だぁ!!


どちらにしろ明日が貴様らの最後!!首を洗って待つがいい!!


じゃあなぁ」

芽埜「(自分の勝負でもないのにやけに自信満々だなあ、あの人…)」




去っていくヴァリアーにツナ達は胸を撫で下ろす。
雲雀たちが現れ、暴れだした当初はどうなるかと思ったものだったが何もなく終わった。
これは幸いなことだ。




リボーン「ヒバリたちが仲間に加わるとなれば強いぞ。あいつらも修業でパワーアップしてるだろーしな」

ツナ「そ…そーだよね!!」

山本「ああ、あいつらがパワーアップだぜ?楽しみだな」

獄寺「でも満樹以外と群れるの嫌いな奴が素直に仲間になると思います……?」

ツナ「それも…そーなんだよな…。


ってゆーか獄寺くん治療しなきゃ!」

獄寺「これくらいカスリ傷っス」

バジル「Dr.シャマルに診てもらったらどうでしょう」

シャマル「俺、男は診ねーから。バイビ〜」




シャマルは1人、帰っていく。
本当に男は見ないダメ医者だ。




「しょーがねーなー。ロマーリオ、かわりに診てやれ」




ツナ「この声…」

「よっ」

「どれどれ」

ツナ「ディーノさん!」

芽埜「ロマーリオさんも!」




ヴァリアーと入れ違いで現れたのはキャバッローネの2人だった。



ディーノ「恭弥と瑠香はまだ見てねーだろ?」

ツナ「えっ!さっき来ましたが」

ディーノ「な!?いつのまに」

リボーン「心配すんな。あまり暴れずに瑠香と帰って行ったぞ」

ディーノ「そ…そっか……。こんなに早く帰ってくるとはな…」

ツナ「帰ってくるって…、一体今までどこにいたんですか?」

ディーノ「え…まあなんつーか、修業の旅だな」

ツナ「修業の旅…?」




雲雀は力でねじふせた所で負けを認めるようなタマではない。
話を聞かないからリング戦の事も説明出来ずにいた。
そんな中、並中がリング争奪戦の舞台だと知った時ディーノはすごく焦り、結局……




ディーノ「あらゆるシチュエーションでの勝負ってことで、修業の地を並中から遠ざけたんだ…」




おかげで海・山・川……、あらゆる環境で奴らを鍛えることができた、というディーノ。
雲雀も瑠香もいろいろなところで鍛えられたとなってはとても強くなっているだろう。




ツナ「壮絶そうだ…!!!」

リボーン「で、ヒバリたちはどれくらい強くなったんだ?」

ディーノ「ん?どーかな」

ツナ「Σな!?どーかなって何ですかソレ〜〜〜!?」

ディーノ「強くなったのは確かだか、どれくらいかは俺もわかんねーな。
あいつらの成長は底なしだからな」



「リボーン様〜〜!!シャラン様もご一緒でしたか!!」




可愛らしい足音と共に現れたのはランスで、背後には黒い狼の姿もあった。




シャラン「どうかしましたの?ランス。


ああ、そういえば貴方…彼女の家庭教師でしたわね」

リボーン「来たか、ランス。


瑠香はどうなんだ?ディーノも多少は見てたようだが瑠香のかてきょーはお前だろ?」

ランス「いえ…それが…。


私にも分からないのです。私の針と糸には捕まらない程度にはなったのですが…」

リボーン「そうか」



ディーノ「そーだ。ここにきたのは他でもねぇ、スクアーロとアイスのことを山本と鈴音に話そうと思ってな。攻略に役立つかもしれねーしな」

山本「え…ディーノさん、あいつ知ってんスか?」

ディーノ「ああ…よく知ってる。あいつらは……」




     *     *     *




スクアーロ「う゛お゛ぉい!!

ベルは勝ったぜ。
しかも明日の勝負はアイスだ。これは勝ったも同然だろぉ゛。



これでイタリアに帰れるなぁ、ボスさんよぉ。やっとおまえのくだらねぇお遊びから解放されるぜぇ」




窓から入ったアイスとスクアーロ。
スクアーロと一緒にXANXUSの部屋を横切ろうとした時、XANXUSが飲んでいた酒をスクアーロ目掛けて投げたのが見える。
アイスは庇うように間に割って入り、グラスの酒を頭からかぶってしまった。




スクアーロ「アイス…!!

う゛お゛ぉい!!何だてめぇ…!!」

XANXUS「文句あんのか?」

スクアーロ「くっ」

アイス「………行こう、スク。……平気、だから」




頭にかぶったグラスの破片を叩き落とし、アイスはスクアーロの腕を引く。
その視線はまるでXANXUSに<憎悪>でも持っているかのように鋭く、殺気のこもったものだった。




最強コンビ帰還!!




ディーノ「スクアーロとアイスは、俺のマフィア学校時代の同級生だった。


そしてアイツ等は元々ヴァリアーのボスとその補佐になるはずだったんだ」




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