了平「漢我流!!!」 そう叫んだ了平のバングルから匣兵器のカンガルーが姿を現す。 我流は装備が強化されていて、我流自身を戦わせることも出来るが了平は今回の戦いはボクシングだ。と言って形態変化を命じた。 了平とカンガルーがぶつかり合って、上着が弾け飛び新しくなった装備が装着される。 紅葉「フッ、所詮ボンゴレ。結局想定の範囲内だな。がっかりせぬように先に教えておいてやるが貴様の形態変化<極限ブレイク>はすでに見切っておる」 ツナ「え!?」 獄寺「なぜその名を!!」 紅葉「晴の炎で肉体の超活性をしながら3分で敵を倒さねばならぬのだろう?必死になってなあ!!」 ツナ「!! 本当に知ってる!!」 獄寺「極限ブレイクは未来での戦い以来使っていないはず!!」 鈴音「使っていないはずなら、どうして敵である青葉紅葉が知っているのよ」 そのおかしな矛盾の正体はシモンに協力する<誰か>がいるからで、その誰かは<この世の誰よりもボンゴレのことを知り誰よりもボンゴレに失望している者>だとか。 意味が分からない上に、何だがその言い方がムカついて鈴音は少しイライラしてきた。 紅葉「ともあれ結局ハッキリしているのは貴様らボンゴレが幾ら気張ったところでシモンの足元にも及ばぬということだ。 シモン守護者、大地の七属性 ―――森の炎の前ではな!!!」 そう言って炎を灯した紅葉。 確かにその炎は葉の形を成していて、切れ味抜群そうだ。 炎圧もなかなかだし、敵の情報収集にも抜かりはない。 情報だけならばこちらよりもずっとあちらの方が有利。 実力は、多分互角。 紅葉「貴様らボンゴレの炎とは違い、ずっと切れるぞ」 了平「確かになかなかの炎圧だ。敵の情報収集にもぬかりはない。だが極限に俺は変わった。 お前の知る笹川了平だと思っているとヤケドをするぞ」 紅葉「何?」 了平「このVG<晴のバングルVer.X>は俺の特性にあわせて作られている。いわば俺だけのための専用ギアだ。ゆえに俺の形態変化に初代晴の守護者の3分間の壁は存在せぬ」 紅葉「!」 ツナ「ってことは!!」 リボーン「3分以上戦えるのか」 了平「さらにこのVGは俺らしく戦うためのまったく新しい機能を備えている!!」 そう言って構えた了平を紅葉は鼻で笑い飛ばす。 紅葉「何が俺らしくだ!だとして貴様の炎から何の恐怖も感じぬのはなぜだろうな? あーあ、そーかそーか!結局貴様が軟弱ボンゴレのヘタレ守護者だからだ!!」 その言葉に鈴音はイラッと来て、亞琉はにこりと笑みが深まる。 琉輝はそれを間近で見てしまって空気が薄ら寒くなるのを感じた。 鈴音「(軟弱?なにそれ、なんなのかしら。何様なのよ)」 亞琉「(他のが人どうだとかそのようなものは知りませんが一括りに<弱い>と見られるのは腹が立ちますね、心外ですよ)」 だが今此処でそんな事を抗議したところで無意味だとわかっているため言葉を飲み込んで勝負の行方を見守ることにする2人。 だが表情からは未だイラッとしているのがまるわかりで目撃してしまった琉輝は1人、怯えていた。 了平「紅葉…山本と満樹の仇。そしてクロームを返してもらう」 紅葉「今こそシモンの無念晴らす時…」 その言葉と共に互いの炎圧が上がって行き紅葉が動き出した。 その瞬間葉型の炎が了平を覆い隠し、姿が見えなくなってしまう。 了平「どこだ!!紅葉!!」 ツナ側から了平たちが見えないのと同じで、了平側からも紅葉の姿が見られない。 紅葉の姿を捉えられないのは両者同じで、何も言えることはなくただただ殴る音や受け止める音が響くのを聞いていることしか出来ない。 紅葉「ここだ了平!!」 その言葉と共に、ドゴッ!!、と嫌な音がして竜巻の様に彼らを覆い隠していた炎の中から了平が吹き飛んできた。 足に炎を灯し地面に着地したが紅葉の一撃で鼻が折れてしまったようで彼の鼻から血が滴り落ちていく。 バングルに炎が灯ったと気づいたのはただ1人、リボーンのみ。 紅葉「こんなものでは恨みは晴れん!!へたばるなよ、了平!!」 ツナ「!まただ!!」 再び葉型の炎が了平を覆い隠してしまい殴打音のみが響き渡る。 その音に芽埜とツナは顔を青くしていた。 ま一方的な殴打音を聞かされたら青褪めるのも仕方がないというものだ。 紅葉「どうした了平。自慢のパンチはどこへいった?ああそーかそーか。僕の姿が見えなければ撃てんな!!―――ほれ」 ツナ「炎が外れた!!」 獄寺「ですがあいつ…ボロボロだ!!」 その言葉と共に紅葉の炎が外れるが獄寺の言うとおりもうすでにボロボロで、立っているのもやっとじゃないのかと思うほど。 紅葉「炎だけで貴様を殺すことは簡単だが止めを刺すのは拳!!それが僕の誇りだ!!」 ツナ「ああ!!」 獄寺「よけろ!!」 芽埜「了平先輩っ!!」 ―――ゴキャ!!ドシャッ!! 琉輝・獄寺「……!!」 顔面に直接攻撃を当てられた上、有刺植物へと一直線に吹き飛ばされた。 殴打によるダメージと植物によるダメージが掛け合わされて相当なダメージを負っただろう。 鈴音「あんなにダメージばっかり負ってたらすぐ膝をついてしまうわ。………何を考えているの、」 ##NAEM5##「分かりません。…が、笹川さんは考えもなしに突っ込んでいくような方ではないと思っていたのですが」 鈴音「………ふぅん。過大評価だったようね」 亞琉「どうでしょう?」 紅葉「今楽にしてやるぞ了平!!呪うなら僕ではなくボンゴレを呪うがいい!!」 フラフラと立ち上がった了平相手に紅葉が突っ込んでいく。 そのスピードは衰えることはなく、拳のスピードも変わることはないだろう。 全く傷ついてすらいない紅葉相手では分が悪い。 だが了平は諦めておらず未だに意志の強い瞳を見せ腫れ上がった口元に笑みの形を作った。 笹川了平VS.青葉紅葉 了平「待たせたな…紅葉」 戻る |