槍を引こうとするデンドロ。 しかし、槍の先はツナによって掴まれていて、引けなかった。 槍先は5つに枝分かれし、裂けている <引いてもダメなら押してやれ>と押し始めるが更に槍を壊すだけに終わる。 デンドロ「なんでだ!!なんでビクともしない〜〜〜!!」 山本「後ろにある手の炎だな…」 獄寺「ああ。あの炎は絶妙だ。 さすが十代目!!」 芽埜「よっ、綱吉!日本一っ」 鈴音「フン…」 その理由を簡単に当てた山本たち4人。 そう。 ツナを支えているのは足の力だけではなく、薄く放射されて目視さえ難しい後方の手が放射してる炎なのだ。 デンドロ「ありえないんだな!!デンドロ様がこんなガキにィ〜〜〜!!!」 獄寺「まだ一般人(カタギ)だと思ってやがる」 ラル「めでたいな…」 鈴音「炎灯して一般人な訳ないじゃない。 めでたいというよりはマヌケなアホね。」 芽埜「鈴音ちゃん毒舌ー♪」 了平「沢田、手を貸そうか?」 ツナ「下がってろ」 了平「………だろうな。どう見ても必要ない」 デンドロ「チッ、チクショー!!!お前達ナメやがって〜!!! こうなれば俺の本気の力を見せてやるぞ!!!」 ツナ「そうしてくれ」 デンドロは喧嘩を売っているかのようなナメ方に怒りを露にし槍を捨て、ツナとの間合いをとった。 ラル「何をしている沢田!!敵にスキを与えるなと教えたはずだ!! 奴はまだ匣を持っている可能性があるんだぞ!!」 ツナ「わかってる」 ツナは<ナニカ>に気がついているようで、それを感じとった彼女は黙りこむ。 デンドロ「ヒハハッ、ベソをかいてももう遅いな!! 出てこい!!!電猪(エレットロ・チンギャーレ)!!!」 雷属性の匣を開匣したデンドロの匣から現れたのは猪。 だがそれは普通ではなく、通常の2倍以上の大きさを持っているではないか。 デンドロ「ハハァ〜、これがデンドロ様の相棒<電猪(エレットロ・チンギャーレ)>だ。 こいつの2本の角こそがデンドロ様のもう1つの<2本槍(ドッピオ・コルノ・ランチャ)>なんだな!! 聞いて驚くな〜〜!!こいつの突破力は俺の5倍だ!! 止めた者は誰もいないぞ!!!」 ツナ「だろうな」 デンドロ・ツナ以外「!」 ツナ「待っていたぜ。本当の<一番槍>」 鈴音「そういうこと。 ミルフィオーレの誇る<一番槍(アラッタッコ)>とは彼自身ではなく匣兵器ということだったのね…」 了平「うむ」 ツナには何の怯えもなく、動揺もしていない。 デンドロ「あの嫌なガキを殺せ!!! ゆけ!!猪突猛進(チンギャーレ・スコントロ・フロンターレ)だ!!!」 そう命じられた猪がまっすぐ向かって行く中、ツナはそこから一歩も動こうとはしない。 了平「よけんのか沢田!!」 ツナ「これぐらいの攻撃止められなければ、入江の所まで辿り着けそうにないからな」 芽埜「ちょ、本気!?」 ラル「(タワケが…!)」 スッと受け止める準備をするツナ。 雷猪はツナに突進、そのまま雷猪はカーブして格納庫に置いてある物に向かって行く。 ―――ドガガ、ドォン!!! デンドロ「ハハハァ〜!!! 見たか!!一瞬だ!!」 獄寺「な…、十代目!!」 芽埜「綱吉!!!」 鈴音「冗談でしょ? (この程度で終わるような男だとは思ってないわ)」 全員が同じ方向をを見る。 そこから雷猪もツナも出てくる様子はない。 そんな時、物音がした。 ―――フォオ…、ボファッ!!! デンドロ「のわっ!?」 芽埜・獄寺・山本「止めてる!!」 ラル「当然だ。剛の炎の衝撃はこんなものではないからな」 そこには後方に炎を出し片手で猪を止めているツナの姿があった。 それを見てデンドロは笑みを浮かべる。 デンドロ「わかってないな〜!!両手使えないんだぞ!! とどめの一突きだな!!!」 両手を使えないのをいい事に、再び槍を持つと上から攻撃しようとする・ しかしその瞬間、ツナは雷猪の腹を膝を使って蹴り飛ばす。 デンドロは雷猪の下敷きになり、立ち上がるのに時間を要した。 猪の大きさが裏目に出ているのだ。 デンドロ「くそっ、なんてことするんだな〜〜〜!! !? あれ?どこだ!?」 雷猪を退して立ち上がったデンドロはさっきまで目前にいたはずの彼の姿がなく、四方八方を見渡す。 探されている張本人は天井に足を張り付けてるように立っていた。 ツナ「終わらせるぞ」 デンドロ「な!!!」 身軽に地上に降りると足を広げ、右指を左手の手の甲に重ねてグッと押す。 どうやら<ナニカ>をやる気らしい。 デンドロ「やさしくしてれば調子にのりやがって!! こうなれば!!3本同時の<3本槍(トリプロ・コルノ・ランチャ)>だァ!!! 死ねェェ!!!!」 リングに炎を灯すと雷猪に乗ってツナめがけまっすぐ向かってゆく。 その間にツナは後方に炎を出し、相手が来るのを待つ。 ラル「(そうだ…。この柔の炎の支えがあるからこそ)」 デンドロが近付いてきたと同時に前方に炎を出す準備を開始。 そして…… ツナ「(――― …その技は敵に直撃した。 * * * その頃、メローネ基地の通信指令室。 「やっぱりだ…。第二格納庫の様子が変です」 格納庫の様子を見ていた1人が、そう報告してきた。 報告を受け、朱音がその男の元へと向かう。 朱音「正一はボンゴレアジトへの対応で忙しいんだ♪私が聞くよお」 「はっ、格納庫周辺の振動グラフが揺れてるんです」 朱音「あそこで暴れるのはデンドロ・キラム以外に考えられないっしょ。 彼にはムシャクシャすると格納庫で武器を試射する悪癖があるからさっ。 突入隊に入れなかったことへのはらいせでしょお?」 「それなら納得です。 格納庫側から各種センサーを切っているようなのでおかしいと思いましたよ」 朱音「厳重注意する必要があるねえ♪強制的にセンサーを開いて?」 「はっ、では格納庫のカメラを映します」 映し出された格納庫。 それを見た瞬間、男は早とちりだと申し訳なさそうに言う。 朱音はその部屋の異変に気づいたが黙って肩を叩いておいた。 沢田綱吉VS.デンドロ・キラム 「(甘い甘いバァ〜〜♪)」 その様子に気づいた様子の人間数人を放って。 朱音「じゃっ、引き続きよろしくね〜♪」 後は彼らが勝手にやってくれるだろう。 自分はそれを見物するだけだ。 朱音はこっそりと笑みを浮かべた。 戻る |