真夜中近くに解散したパーティー。 芽埜、獄寺、山本は誤って酒を飲み酔っ払っていたが、だいぶアルコールも抜けたみたいだ。 パーティ後芽埜がベットに潜り込んで1時間ほど後ガリガリ…という不思議な音で目を覚ました。 芽埜「ふ、ぁ………つなよし、いまのなに…?」 ツナ「さあ?」 芽埜が寝ぼけ眼で廊下に出るとツナたちの姿があった。 そしてリボーンが正体を教えてくれる。 ガリガリという音の正体は獄寺の猫が壁を引っかいている音だったのだ。 雲雀「酔っ払って僕らの所まで来たよ」 瑠香「ううっ…私、恥ずかしくて死ねそうです…!!///」 顔を真っ赤にした瑠香は何となく着物肌蹴ている。 その腕の中には芽埜の兎が抱きしめられていた。 芽埜「ご、ごめん!シャル、」 ―――ガッ!! 芽埜「いたっ!!」 獄寺「あぁっ!てっきり匣に戻ってっかと!何してやがったんだ―――<瓜>」 芽埜・ツナ「(Σ変な名前付けてる―――!!)」 2匹はいまだ飼い主に懐いていない。 雲雀「君達…僕の性活を乱すとどうなるか知ってる?」 瑠香「(Σ恭弥さ―――ん!!??)」 ツナ「(Σ何言ってんだこの人―――!!!)」 芽埜「(Σあれ―――!!??今生活の字違った気がするよ!? っていうか、トンファーしまってよぉおっ!!!)」 各々がそう思っていると雲雀は欠伸をして去っていこうとする。 雲雀「…眠い。…今度ね」 そんな雲雀の背中に獄寺は礼を述べた。 借りを返す事を伝えれば彼は<期待せずに待つ>と笑う。 獄寺「なっ、期待せずだと?」 ツナ「あ、ヒバリさん、満樹さん!明日…一緒に頑張りましょうね」 雲雀「嫌だ」瑠香「はいっ」 瑠香・雲雀「!!」 雲雀「ちょっと、そこは嫌だって言わなきゃダメでしょ」 瑠香「え、でも…」 雲雀「ワォ、反論するのかい?(今日はもう寝かせてやらない…)」 瑠香「えっ、違…っ (!? いまなんか寒気が…っ!?)」 雲雀「僕らは死んでも君達と群れたり一緒に戦ったりするつもりはないよ。 強いからね」 芽埜・瑠香・ツナ「(<ら>を強調してきた―――!!!???)」 雲雀「おやすみ」 雲雀は<いやです―――!>といわんばかりの絶望的な顔をした瑠香の腰を抱き廊下を歩いていく。 芽埜はそれを見て<お似合いだなぁ…と>見送っているが、瑠香の内心は見捨てられた感満載だ。 瑠香「(恭弥さんに付き合うの大変なんですよ!芽埜ちゃんのばかっ!)」 山本「やっぱり雲雀は何年経っても雲雀だな!」 芽埜「うん…。 芽埜もう寝るね〜。おやすみー」 4人から各々挨拶が返ってくると芽埜は部屋に入ってベットに潜り込んだ。 * * * ジャンニーニ「もー飲めまひぇん……」 諒「アホ。何でお前が飲んでんだ」 央樹「困りましたねぇ……」 お酒を飲んで赤い顔をしたジャンニーニが机に伏せていた。 諒がそれを呆れたように見てモニターを見る。 諒「カメラが壊されたか」 央樹「どうします?諒くん」 諒「は?そんなの決まってんだろ、行くぞ央樹」 央樹「ですよね」 そう言った諒が央樹を引き連れて19階へと向かう。 そこの一室が諒の部屋で、薄暗い部屋の中をパソコンの画面の明かりだけが照らし出している。 その中央に置かれた椅子にどんと腰掛けた諒がマイク付のヘッドホンを頭に装着した。 諒「だからハッカー業ってやめらんねーんだよな」 央樹「わぁ悪い顔」 諒「お前はカメラの回復に努めてろよ、央樹。 予備のカメラ、俺が仕掛けてっからさ」 央樹「了解です」 諒が目にも留まらぬ速さでキーを打ち込んでいく。 画面に浮かぶ文字が次々と上へ送られており、それは何らかのプログラムのようだ。 諒「見せてやる。 俺を敵に回したら、どーなるかを………な。」 ―――カチッ、 押されたEnter。 それは何処かへと送信されていく。 諒「あーあー。 聞こえてるか?雲雀、満樹。 敵、ミルフィオーレ襲撃。繰り返す。 敵、ミルフィオーレ襲撃。人数は………」 そういう諒の右にある画面にはミルフィオーレの姿が確実に捉えられていた。 * * * その頃、メローネ基地。 朱音「わわわわ!!?」 正一「どうしたんだ?朱音」 朱音「ウイルス攻撃受けちゃった☆」 正一「な、なんでこんなときに!!!」 * * * 諒《爆破が始まる。気をつけろ》 瑠香「分かりました。 では、また後で」 無線機を草壁へと渡した瑠香が雲雀の元へと歩み寄る。 草壁「お気をつけて」 雲雀「ん」 瑠香「はい」 ゆっくりと歩みを進め<目的の場所>へ向かう2つの影。 諒の言うとおり爆音がし天井へと穴が開く。 そこから降りてきた多数の影が辺りを見渡す。 「なんだここは?」 「大広間か?」 上を見上げれば、出口を封鎖するように鉄格子が頭上を覆っていった。 雲雀「弱いばかりに群れをなし」 瑠香「咬み殺される袋の鼠」 雲雀の手から落とされたグロ・キシニアの仕掛けた発信機。 罠だと気付いたときにはもう遅い。 逃げる事すら出来ない敵にはもうどうする事も出来ず、ただ襲いかかるトンファーと鎖鎌に抗う事しか出来なかった―――。 * * * 「何なんだ?」 突然の出撃命令。 その命を受けた芽埜たちは外に繋がる廊下を走っていた。 ツナ「出撃って、予定より早くない?」 ジャンニーニ《敵の強襲です!!2km離れた倉庫予定地に大部隊が集合している模様》 リボーン《ヒバリと瑠香がすでに向かっているぞ》 無線によって伝えられた言葉に驚く事しか出来ない。 大勢の敵がいるなかで雲雀たち2人が向かった。 いくら2人が強くても…!と思い<自分達も行かなければ>と声を上げたツナ。 けれど前を走る了平の言葉に引き止められる。 了平「それではヒバリたちが体を張る意味がなくなる!」 リボーン《集中した敵の兵力をヒバリたちが一手に引き受ける事で地上と敵アジトの戦力は手薄になるんだ。 ヒバリたちの行動に報いたければ殴り込みを成功させろ> 簡単に言えば<今の自分達に出来る事はそれだけしかない>のだ。 それが今の事実。 鈴音「あの男は殺したって殺されてくれやしないわよ。不死身じゃない」 ツナ「(ふ、不死身って…!) わ、分かりました。 …開けてくれジャンニーニ!」 ツナ《了解!Fハッチ開口!》 朝日が射し込む中で外に飛び出した芽埜たち。 振り返ることなく、進んでいく。 夜襲 過去に、帰るために。 戻る |