獄寺達と一緒にリボーンくんを探していた。 だというのにツナも、獄寺も…いなくなったのだ。 連絡が一切取れない。 芽埜「2人とも……どこ行っちゃったの……??」 芽埜は1人、ふらふらと並盛を彷徨っていた。 * * * 一方未来では9年と10ヶ月後の芽埜がジャンニーニと一緒にいた。 ジャンニーニ「…よし、これで完成ですね」 芽埜「ありがとう、ジャンニーニさん」 ジャンニーニ「いえいえ。今度ブーツ見せてくださいね――!!!」 <壊さないでくださいね――!!>と苦笑気味で声を返してリボーンの元へ。 この世界に流れている<ノン・トゥリニセッテ>はアルコバレーノには有害なのだ。 「よっ、芽埜」 芽埜「あっ、武!」 深刻そうな顔をしていた芽埜の元へ声がかかる。 そこには未来の山本の姿があった。 山本「何処行くんだ?」 芽埜「うちはリボーンくんのとこ。武は…えっと…ラル・ミルチさんだっけ?」 家光のところ、つまりはチェデフから配属されて来る人間の名前がラル・ミルチだ。 アジトの場所が分かりにくいということで山本が迎えに行くことになっている。 山本「迎えに行ってくるな。 確か、今の時間帯ここらじゃストゥラオ・モスカの偵察時間だろ?」 芽埜「あ、そうだよ。この前<諒(あきら)>くんが<メローネ基地>の偵察状況ハッキングしてたから。それ以上は無理みたいだったけど。 あっちにも相当<そういうの>に強い人がいるみたい」 山本「そっか。んじゃ、行ってくる」 芽埜「いってらっしゃ――い」 山本と別れ、リボーンの元へと歩を進めていると向かいから琉輝と諒がやってくる。 1人は手にカバンを持ち、1人は手にip●dを持っていた。 芽埜「琉輝くん!諒くん!」 諒「ん?……ああ、お前か……」 琉輝「よっ」 芽埜「どーお?調子は」 琉輝「んー…まあまあ?鈴音の居場所は掴めねーし。亞琉とも連絡取れねーし」 芽埜「あ、あはは…」 琉輝「とりあえず今、諒への引継ぎ終わったとこ。今からイタリア飛ぶ」 芽埜「えっ!急じゃない?」 琉輝「そうでもねーだろ。時間ねーし」 芽埜「…琉輝くん…」 琉輝「やれるだけはやっておきたいんだ…。もうすぐ、こんな風に働いたり出来なくなるから」 ゆっくりと下腹部を撫でた琉輝。 膨れてはいないが、そこには小さな芽吹いたばかりの命がある。 芽埜「(そう、だよね…琉輝くんは………」 琉輝「ま、あんま気にすんな。っつーことで、諒…頼むな」 諒「了解。 あんまり無理するな……。卸すことになっても俺は知らん」 琉輝「うるせえな!!…ま、行ってくる!!」 芽埜「いってらっしゃ――い」 外に出て行った琉輝は、入り口付近で<ええええええっ>と言う大声を出したようで、中まで響き渡ってきた。 * * * 琉輝「え、ま、マジで!!マジか!!!」 ツナ「(え、この綺麗な人誰――!!?って、結婚してるんだ…。 琉輝に…似てるけど10年後の琉輝はこの前見たし……。違う、よな?)」 琉輝「うっそだろぉ…。 なあ、山本…嘘だと言ってくれ」 山本「ハハッ、何言ってんスか。ツナの顔一番覚えてるのはきっと先輩っスよ?」 琉輝「…あたしは、もう…疲れたよ。 きっと幻覚が見えてるんだ…。骸の所為だ…!骸のバカヤロ――!!! ……こほんっ。 まあそんな感じで山本、あたしイタリア発つから後よろしく!」 山本「うぃーっス」 そう言って女性はツナの頭を撫でると去っていった。 ツナ「ね、ねえ山本」 山本「ん?」 ツナ「あの人、誰?」 山本「!、ハハハッ!!ツナ、喜べ」 ツナ「え?」 山本「んー未来のことはあんま教えちゃなんねーんだけど、まあいっか。 名前とツナにとって何なのか、どっちが知りたい?」 ツナ「…うーん…じゃ、じゃあ俺にとってのあの人…?」 山本「分かった。その代わり、名前は教えられねーがいいんだな?」 ツナ「う、うん…」 山本「あの人、お前の将来の奥さんだぜ?うらやましいよなー。 あんな綺麗な人嫁にもらってさっ」 ツナ「……… Σうそ―――!!??」 獄寺「Σなぁっ!!??マ、マジかよ…! (挨拶しそびれちまった…!!!)」 それからツナ一行はアジト内へと入った。 途中ラル・ミルチが倒れてしまったりと色々あったが応接室へとたどり着く。 そこにはリボーンの姿があった。 「だきしめて〜v」 ツナ「?」 「こっちよ!!」 ツナ「Σふげ――!!」 「リボーンくん、エスプレッソ……って綱吉ー!!?」 芽埜がリボーンご所望のエスプレッソ(濃い目)を持ってきたらリボーンはツナに攻撃してていた。 後頭部に土踏まずがヒットしたらしい。 ツナ「なんなんだよ!!このふざけた再会は!! こっちは死ぬ思いでおまえを探してたんだぞ……!!またヘンなカッコして!! (でも……無事でよかった!!)」 リボーンの「しょーがねーだろ?このスーツ着てねーと体調最悪なんだ。 外のバリアも俺のために芽埜が作らせたんだしな」 ツナ「!?、どういうことだよ」 リボーン「俺にはキビしい世の中ってことだ」 ツナ「………? そ…そーだ!おかしいんだよ!過去に戻れないんだ!」 リボーンの「それくらいわかってるぞ。おかしいところはそれだけじゃねーしな。 10年バズーカなのにこの時代は撃たれてから9年と10ヶ月ちょっとしか経ってねーんだ」 ツナ「え…!?」 リボーン「なんでこんなことになっちまってんのか…俺にもさっぱりだ。 お、エスプレッソサンキューな芽埜」 芽埜「いいえー」 ツナ「お前エスプレッソなんか飲んでる場合か……って、芽埜!?」 芽埜「はーい。 お久しぶり、綱吉〜」 手を振る芽埜の姿は髪が伸びており、みつあまれている。 顔も幼さは残っているが10年前に比べれば大人びており、化粧もされていた。 リボーン「まあ、わけのわかんねー土地にとばされなかっただけでもよかったけどな」 ツナ「土地…? そーだ!!ここって…、ここってどこなんだよ!?」 リボーン「ん?そんなこともわかってねーのか?」 ツナ「だからいろいろ大変だったの!!」 リボーン「モニターに映るか?」 山本「ああ。 芽埜、頼む」 芽埜「はーい」 芽埜がスイッチを弄り、モニターに電源をつけ景色を写す。 まだ薄暗いものの何とか見える程度の景色だ。 リボーン「こいつが地上だ」 ツナ「?」 獄寺「暗くてよく見えねぇ…」 芽埜「ここは見覚えあるでしょ?」 彼女がスイッチをいじるとともに画面に映し出された建物と校門。 校門には<並盛中学校>の文字があった。 ツナ・獄寺「!?」 ツナ「なっ、並中――!!?ってことはここ並盛なの!?」 獄寺「日本だったんスか――!?」 リボーン「そーだぞ。 そして過去に戻れない以上…ここで起ってることはお前達の問題だぞ」 山本「現在、全世界のボンゴレ側の重要拠点が同時に攻撃を受けている」 芽埜「もちろんここでもボンゴレ狩りは進行中なの」 ツナ「ボンゴレ…」 獄寺「狩り…?」 リボーン「おまえ達も見たはずだぞ。ボンゴレマークのついた棺桶を」 ツナ「それって俺のことー!?」 ツナが入っていたのはボンゴレマークのついた棺桶。 つまり…そういうことなのだろうとツナはショックを受けた。 獄寺「っ……、てめえら!!」 いきなり山本を殴り飛ばした獄寺。 芽埜が目を見開き、山本に<大丈夫!?>と駆け寄っていく。 その時、怒声が響いた。 獄寺「何してやがった!!何で十代目があんなことに!!」 ツナ「ひいっ、獄寺くん!」 山本「…………すまない」 獄寺「てめえ、すまねーですむわけ…!!」 芽埜「やめて!!!」 獄寺「!」 芽埜「1番辛いのは誰!!?何も出来ない事が1番辛いんだよ!!! 残されることが辛い人だっているんだよ!!!特に…琉輝くんは…」 リボーン「芽埜…それ以上は禁句だぞ」 芽埜「!、ごめん…」 リボーン「それに、やめろ獄寺。10年後のおまえもいたんだぞ」 獄寺「!」 そう聞いて獄寺は悔しそうに、苦しそうに、辛そうに俯き、拳を強く握り締めた。 <自分も何もできなかった>。 そう知ったらあとはもう……掴みかかることなどできなかったのだ。 リボーン「敵であるミルフィオーレファミリーの恐ろしいところはもちろん戦闘力の高さだが、それよりもやべーのは目的がただ指輪をえるための勝利や制圧じゃないことだ」 ツナ「!?」 山本「本部が陥落した時点でミルフィオーレは交渉の席を用意してボンゴレ側のある男を呼びだした。 だが奴らはその席で一切交渉などせず、男の命を奪ったんだ」 交渉などなかった。 ただ、そこにあったのは―――<罪>。 ボンゴレ婦人だ何だとスーツを身に纏って一緒に行かされた琉輝の目の前で―――鮮紅が散った 意識忘失寸前だった琉輝を助け出し、死体を持ち帰ってきたのは血まみれだった鈴音。 鈴音はその日以来<姿を見なくなった>。 それからというもの、ミルフィオーレは…こちらからの呼びかけにも一切応じないのだ。 芽埜「次々とこちらの人間を消し続けているの…。奴らの目的は…… ―――ボンゴレ側の人間を一人残らず殲滅すること。」 ツナ「つ…つまり過去からきた俺達も危ないってこと…?」 リボーン「それだけじゃねーぞ。お前達と関わりのあった知り合いも的にかけられてるんだ」 獄寺「!」 ツナ「そ……それって!」 京子やハル、マフィアに無関係な人間たちにも被害が及ぶ。 そう聞いてツナはうろたえてしまう。 リボーン「うろたえんな。まだ希望がなくなったわけじゃねえ。 山本、バラバラに散ったとはいえ、まだファミリーの守護者の死亡は確認されてねーんだな」 山本「ああ…」 芽埜「今の所大空・嵐・雨・夜空の守護者…… そして、代理だけど雪・霙の守護者はアジトにいるよ。 月の守護者も居場所は分かってる」 リボーン「なら、やることは1つだ」 10年後の世界 リボーン「ちりじりになった11人の守護者を集めるんだ」 戻る |