今日は何故か青秀殿が私を呼びに来て紅炎様が呼んでいる≠ニ告げられた。
怒られるような事をした覚えもありません(よね?)。
呼び出されるような事をした覚えもありません(多分)。
ですが兄である炎あにさまの呼び出しですから行かなければなりませんもの。
最優先は兄である炎あにさまの御用時。
自身の用事(といってもそこまで重要なものではありませんし個人的なものです)もそこそこに放って青秀殿に続く。
途中紅玉ちゃんに出会ってお茶の約束を取り付けて。
その後瑛あねさまと出会って今度共に散歩でもしないかといわれ了承して。
その後白龍くんに出会って今度共に修錬をとお願いされ了承して。
その後ジュダルに出会って連れて行かれそうになったけれど丁重にお断りして。
またまたその後紅覇に出会って名前姉の服一杯買っておいたから来てねぇ!とかわいい顔でおねだりされて。
断るわけがありません。あのかわいい紅覇のお願いを断れるわけ!
「はっ………
(何だか凄く時間がかかっているような気が…)」
「姫様は皆さんと仲良しなんですね」
「あ……、そう…みえ、ます?」
「まあ、普通に。……あ、つきましたよ」
時間がかかってしまったけれど漸く炎あにさまの部屋へ辿り着いた。
「兄王様、失礼いたします」
「来たか」
「こんにちは、名前」
「!
め、明あにさまも…いらしたのですね。こんにちは。遅れて申し訳ございません」
遅参したことへの謝罪はしなければ。
頭を下げれば座れ≠ニいう炎あにさまの声がして大人しく頭を上げる。
上げなければ炎あにさまに無理矢理頭をつかまれます。
……幼少時やってトラウマになりました。
若干過去を思い出してしんみりする。
思えばあの時は私が紅覇を守らなければ!と躍起になりすぎていましたね、ふふ。
「どうぞ、名前。此処に座ってください」
「!
あ…ありがとう、…ござい、ます」
明あにさまが私のために椅子を引いてくださった。
明あにさまに礼を告げ座れば女官達がお茶とお茶請けを置き下がる。
あ、本日のお茶請けは胡麻団子のようですね。
胡麻は体にいですから好きです。
おいしそう。
あれ?そういえば何のために呼ばれたのでしょう?
お茶をするためならそういえばよろしいのでは?
遠回りな言い方は炎あにさまらしくないな≠ニ首を傾げていれば炎あにさまが口を開いた。
「俺と紅明とお前だけで茶をする」
「……え?」
どうやら本当にお茶だけのようです。
何だか拍子抜けしてしまいました。
……もしかして青秀殿は紅炎様が呼んでいる≠ニいったような内容を茶をするから呼んでいる≠ニいう意味で仰ったのでしょうか…?
明あにさまではあるまいし、私には隠された意味の言葉など分かりませんよ。
「聞こえなかったか?」
「!
い…いえ。私がご一緒して…よろしいの、で…しょうか?」
「構わん」
そう言ってお茶を傾ける炎あにさまと明あにさまに倣うようにカップを手に取る。
お茶はふわりと香りを漂わせてきてとても良い香り。
胡麻団子もしっかり作られていてとても美味しかった。
「え…炎あにさま…明あにさま…」
「なんだ」
「どうしました?」
「その………よ、よろしければ今度、紅覇とお茶をやるとき……お誘い申し上げたいと、思い…まして」
どうでしょう?
そういうように窺い見ればお二方は構わない≠ニいう風に頷いてくださる。
それが嬉しくて口元が緩む。
次のお茶会には紅覇が見繕ってくれた服を着よう。
紅玉ちゃんが飲みやすくてオススメのお茶があるといっていたし教えてもらおうかしら。
お茶請けは白龍くんに作り方を教えてもらって自分で作ってみよう。
色々な考えが頭を占めて今から先の事が楽しみで。
「必ずお誘いいたしますね…ふふ」
「「(久しぶりに名前の笑顔を見た。お茶会グッジョブ!)」」←ただのシスコン