※骨喰兄さん手に入れた記念とかでTwitterにあげてた設定。




刃≠ニいうものは多種多様な使い道がある。
けれど刀≠ニいうものは一画違いであるのに、その用途は基本的に人を傷つけるものでしかない。
守刀≠ニは人を守るものであるのと同時に、人を傷つける道具でもあるということを忘れずに。
人の命を散らせる道具を作る自分たちが、命を軽く扱ってはならない。




「―――貴女は名前。名前、国愛よ。」

































「るーるーららー♪」

「今日は何を鍛刀するつもりなんだい?主」

「もうレシピ通り突っ込んでもレア太刀とか来てくれないから適当に突っ込むことにしたよ、アハハハハー」

「主、気をしっかり持つんだ!雅じゃないよ!」




歌仙兼定の言葉は届いたのだろうか。
本丸の主は再び陽気に(見えるが目は死んだ魚のよう)歌いだし、次々と資材を投入していく。
数はまだ少なく、担当のレシピに全資材を10足した程度だ。

大量投下はどうかやめてほしいという思いもあり歌仙は主の腕を掴み、式神たちに「その資材で作ってくれ」と指示を出した。
勿論主には無断だが、今日の主に鍛刀を任せたら資材の大半が一日で消えてしまう。
それは勘弁していただきたい。
出陣や遠征で得られる資材は限られているし、日常的に任務が課されているとはいえ数もそう多くはないのだから。




「ちょっと歌仙!」

「すまないとは思っているけれど、あのまま放っておけば資材を全部使いかねなかったからね」

「うっ」

「(図星か)」




痛いところを突かれ言葉につまる主を置いて、歌仙は式神から時間の書かれた板を受け取った。
鍛刀は基本死神によって行われ所定の時間内で作られる。
それから主の手によって人の姿としてこの世に顕現されるのだ。

資材の量も少なかったから短刀だろう≠ニいう思いで主に板を手渡せばそこに書かれていた時間は鍛刀が作られる時間―――通常は20分で長くとも30分だ―――ではなかった。




「か、歌仙……」

「なんだい?」

「これ、なんだと思う………?」




―――45:00。




そこに書かれた微妙な時間に歌仙は主と共に首を傾げた。

世界には様々な本丸があり、その本丸ごとに暮らしは違えど設備は同じ。
同じ設備で作られる刀たちにはそれぞれに見合ったレシピ≠ニいうものが存在しており、それは全国にいる主―――審神者の同僚たちが集計に集計を重ねた結果だと言える。
レシピ≠ナ出来る刀剣で時間が一番見違いのは短刀の20分でありそこからレア度が上がるにつれて時間が長くなっていくのだ。

しかし、今までのレシピ≠ナ45分など出たこともなければ聞いたこともない
どこの審神者専用掲示板にも45分などという文字は出たことがない。




「まさか、新しい刀剣!?」

「そんな、まさか」




現実に起きた謎の現象(というほどでもないかもしれないが)を見て二人は不安と興奮を抑えきれないでいる。
そうする間にも時計は刻一刻と時間を刻み続けていた。

































刀≠ニはなんだと思う、と聞かれたことがある。
私はそれに、こう返した。


―――刀≠ニは、それ即ち職人が魂を込めたもの≠ナある。


けれど、私に問うてきた者はこういった。


―――刀≠ニは結局何を言おうとも人斬りの道具≠ナある。


何を悲しいことを、と思ったがそのものが言いたかったのは結局こういうことであったのだろう。


―――綺麗事を言うな。あるがままを受け止め、受け入れろ。


……と。

































「だっれがくっるかな、だっれがくっるかな♪」

「落ち着き給えよ、雅じゃないね」

「だってワクワクするんだもん!」

「まぁ俺っちも少しワクワクしてるぜ。新しい弟かも知れないからな」




出来上がったであろう刀剣を見に鍛刀部屋へ向かう。
その途中出会った薬研藤四郎―――彼は今回出来上がるのが新しい自分の知らない弟ではないかと思っている様子だ―――を加え、三人で鍛錬部屋の入口を潜った。

丁度出来上がった頃だったのか式神たちはいそいそと出来上がったものを持ち上げて一生懸命に主に差し出そうとしている。
その手に持たれていたのは匕首(あいくち)と呼ばれる鍔のない短剣の一種のようなもので、大きさは薬研らとあまり変わらない程のものであった。
漆黒の鞘には赤の下げ緒が結ばれており、柄巻き糸にも赤いものが使われている。

だがしかし。
全員の目が惹かれたのはそこではなく漆黒の鞘に刻まれる○の中に國≠ニいう漢字の入った刻印だった。




「俺っちの兄弟では、なさそうだな」

「そうみたいだね」

「やはり新種の刀なのだろうか。だが実装されたという話は聞いていないんだろう?」

「う、うん。でも作っちゃたし、呼んでみよう…かな」




そう言って審神者が刀に手を触れた瞬間光が溢れ出し、光の中に一つの影が浮かび上がった。



頭に巻かれた赤いリボンのような髪飾り
ポンチョのような上着と軍服に似せられた上着
腰のあたりでふわりと揺れるスカートと横一文字に差し込まれた短剣
絶対領域以外を包む黒のソックスに白のブーツ
全体を纏めるように彩る赤の線と金色に輝くボタン




「はーっじめましてー!名前国愛だよ!国丸 愛が最後に打った刀剣なんだ」

「「「 ……… 」」」

「あ、え、…ええ、……おっ」

「おっ?」

「女の子〜〜!?」

「は――い!女の子でーす!」




作られた「私」の価値観
(それはあの人が語りかけてくれたこと。)




「よろしくねっ、主さま!」

「え、あ、…う、うん!よろしくっ」

















短剣【夜暗 国愛(ヤグラク ニチカ)】

生存:30 打撃:18
統率:25 機動:35
衝力:11 必殺:40
偵察:40 隠蔽:30

◎夜戦大得意な短刀で、現在は山奥の寺に奉納されている。
◎刀身には名前が刻まれているとか。
◎歴代主はみんなどこぞの姫君で、一時期伊達で愛姫の守刀になったことも。
◎元気で天然バカ
◎機動(足速い。普通に九秒台とか切りそう)と偵察力(ヤバイ位目がいい)が高いが、非力なので衝力が低いのが難点。
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