※婆娑羅も無双も知っている夢主が大殿の娘になっちゃって、何か色々あってナリ様のお嫁さんになっちゃった話。
「姫様、殿がお呼びですよ」
お殿さまがお呼び?
大殿……じゃなかった、父上と違ってあの人のお呼びは基本面倒毎なんだよね。
いやだなあ、行きたくないなあ、
でも行かなきゃ怒るしなあ…。
父上、母上、隆元兄様、元春兄様、隆景兄様……名前はどうなるのでしょうか…。
…にゃは、そんな事言ったって始まらないよねー。
今行きますお殿さま!……駄目だ、くのちん風に言っても全く気分が乗らない。
「名前、参りました」
向こうで礼儀は一通り習ったから大体は大丈夫って自身がある。
今迄怒られた事ないし優秀だとか言われてるもん。
武にも優れて礼儀もいい、頭もいいとくれば才色兼備、だよね♪
………ま、まあ、その前の時の事は置いておこうじゃないか。
話したって気分が悪くなるだけだし。
「来たか、名前」
「はい。何の御用でしょうか?」
何か悪い事をした覚えはない。
この放任主義のお殿さま(今の父親)が私を呼び出すには何らかの理由……そして何らかの面倒がある。
今回はどんな面倒ごとを押し付けられるのやら……こっちの気分にもなってほしいもんだわ!
今、ゲージマックス状態だし一発かましてやっても……ゲフンゲフン!
「お前も…あれだ」
「はぁ……?」
「そろそろ嫁ぐべき年齢だろう」
… … … 。
I'm sorry, I would like it once again.
(すみません、もう一度お願いします。)
「そ、それでだ……我が主と言えば誰か分かるな?」
そりゃあ、分かるよ。
あれでしょ?
冷酷卑劣オクラ様、我らが女王、毛利元………うん?
ちょっと待て。
何で今その名前が出てくる。
用事→嫁ぐ年齢→我が主→毛利元就………嘘ん。
「お前も其処まで鈍いわけではあるまい」
鈍く生きていたかった…!!母上の様に天然が良かった!!
何で私こんなに勘が鋭くなっちゃったんだ…?!
あ、父上の教育の所為か。
悪い虫がどうのと躾けられたんだっけ。
……未だに虫が分からないけど……私虫が寄ってつきやすい体質なんだろうか?
「ですが、我が家は其処まで偉い家ではありますまい」
例え側室だったとしても入ってみすぼらしいと笑われるのが落ちだ。
っていうか、ナリ様お嫁さんいたっけ?
見た事無いけど。
「それが……元就様直々のお達しなのだ」
やめろ――!!!!!
逃げ道がどんどん無くなるじゃないかあ!
断ったとしても失礼だけど〈下っ端故無理でございます〉って言えばいいんじゃないかって思ってたのにいい!!!
何であの人私に嫁になれなんて言っちゃうの??!!
どうして、なんで!?
「詳しい事は追って伝えるとの事でな……」
この人もどうして受けちゃうの〜〜!!!!!
「………分かりました」
どうせ文句言ったって仕方ないんだ。
覚悟してたけどこの時代の女性ってそんなに自由ないしね。
家のためだ何だと人質になったりとかさ…まあ、色々だよ。
とりあえず、首刎ねられない様に頑張ろう。
そうしよう……ハァ…。
父上、母上、兄上、名も顔も知らぬ姉上……私、お嫁に行くらしいです。
どこぞの姫様の様に地獄は楽しめそうにありません。
気が重いです…。
父上、助けてくださいぃい…!
……あ、私父上の所にお嫁に行くのか、ワロタ\(^o^)/