※Twitterに上げてる兄さんの話。
俺が生まれてすぐ………でもないか。
とりあえず1歳過ぎた頃弟ができた。
名前はツナヨシ。
甘えたがりですぐ泣く厄介なコ。
でも弟は大切にしなきゃいけないから俺はツナヨシのことを守ることにした。
ツナヨシが怖がるチワワからでもなく、ツナヨシを苛める近所の悪ガキからでもなく、ツナヨシの苦手なご飯からでもなく、ツナヨシが怖がる幽霊からでもなく、ツナヨシがすぐ溺れる風呂からでもなく、ツナヨシが苦手な勉強(といっても読み書きしかしてないけど)からでもなく。
俺たちの父親やその周辺から守ることにした。
俺たちの父親は表面上は一般人面してるけど、実はそうじゃないのを俺は知ってる。
蜘蛛にいたハッカーのような金髪君のように情報収集なんて技術がいるものは出来ないけど、自分家で培ってきた能力や仕事中なんかに覚えたものは未だ俺のなかに存在しているから見て臭いを嗅げば分かってしまう。
―――血の臭いがする、って。
そんなものが臭う人間が一般人ではないことなんて素人だって理解できることだし、素人じゃない俺からしたら丸分かりなことだ。
実力は俺の親父には全く敵わないけど、それでもツナヨシからしたら危険因子に違いないし、将来とんでもないことにツナヨシを巻き込みそうな予感(こういうのはよく当たる)がする。
だから少しでも理由を知っておきたくて父親の鞄に潜り込んでイタリアへと渡った。
父親の仕事先は何てことない会社を経営していたけど絶状態で忍び込んでやったらやっぱり普通の会社ではなかったときたもんで俺は「やはり」と父親への疑いを深めた。
父親が帰る前に早く帰らなければならなかったし、家を無断で出てきたに等しかったので絶状態で飛行機へと乗り込んでイタリアへ行ったときのように密航して家に帰った。
そんな俺に2度目のチャンスが来たのは、父親が老人を連れてきた日だった。
夜、2人で話しているところへ忍び込み話を盗み聞きしてやったら彼らがまさかの「マフィア」だというのでなにも言えなくなった。
マフィアと言えばヨークシンで行われたオークションで蜘蛛による打撃を受けた奴ら、という認識しかないし、その元締め(だったかなんだったかは忘れた)はうちの一家に暗殺以来が来てイルたちに殺されていたような覚えしかない。
なんだ、そんなものか。
そう思った俺は興味が失せて、ツナヨシがボンゴレだか何だかのボス候補になるとか何とかを聞かずに部屋を出た。
転生したというのにまた血生臭い一家に産まれたのだからこれは楽しまなければ損だろう。
だから、
「ねえ」
「なあに?名前くん」
「俺のこと忘れちゃっていいよ」
記憶、消させてもらうよ。
※ウルイ=ゾルディック
・暗殺一家に生まれた長男(家督放棄した)
・快楽主義者にして道楽者。
・具現化系能力者だけど操作系も併せ持っている。