※ミヒロ23、テンテン24、現代設定
「あー……眠ィ…」
「はぁ?眠いって何よ」
「いや…マジ、昨日…あ゛ー」
二日酔には気をつけませう。昨日、カカシ先生とクルミちゃん(中学時代の数学の先生と担任)に付き合いすぎた。
久しぶりに会ったからってあれはなかったな。
どんだけはしごしたよ……えっと、
「あー…8、か」
「うそでしょ!?そんなにはしごしたら二日酔どころじゃないわよ、馬鹿ねー」
幼馴染兼彼女であるテンテンの言葉が耳に痛い。
いや、本当に馬鹿だったと思うからこそ耳に痛いんだ、そうだ、きっと。
にしても何でそんなに付き合ったんだ、俺。
静那もアキネも『恋人が待ってるんで』なんてウソついて帰ったじゃん。
最近連絡取ってなかったし、ウソじゃないかも知れねェけど。
「悪ィ…デートむり、」
「だろうと思ったけど……あーあ、服折角買ったのに」
「ごめん、」
二日酔で頭ガンガンする。
これで町に繰り出したらぶっ倒れるわ、自信ある。
はあ…と溜息を吐いたテンテンがとんと俺の肩を押してベットへと押し倒した。
いやいやいや、まさか、有り得ねェよな?
「あ、ちょっと待って。コート脱ぐ」
……いや、まさかの展開か…!?
…なわけもなく、その後テンテンはお粥(ちょっと焦げてた。どういう事?)を作り、強制的に薬を飲ませると俺を蒲団の海へと押し込んだ。
「今日は大人しく寝てる事。いいわね?」
「…ん、」
「もう成人して3年は経つんだからお酒の管理くらい出来なくちゃ…」
「その通りです」
ホントなんであんなに飲ん………あ、そっか。
思い出した。
「俺、ずっと悩んでたんだっけ」
「?、何を?」
「うん、思い出したらすっきりした」
「いや、だから何を?!」
「じゃ、…おやすみ」
「ミヒロ!!??」
そうそう、ずっと悩んでて、自棄酒してたんだった。
先生たちに付き合ったんじゃなくて…俺が付き合わせて…うん、そうだそうだ。
ああ、すっきりした。
それに、テンテンの顔見たら悩み吹き飛んだし…万事解決。
目が覚めたら行動に移すだけだ。
……嗚呼、本当に…眠い。
「もうっ」
結局悩みって何だったのよ。
そんなに穏やかな顔で眠っちゃって!
腹立つわね、ホント。
でも―――…
「好きよ、ミヒロ」
貴方が私のものになれば、なんて……。
そうしたら、他の人に寝顔見られてなくて済むじゃない。
「寝顔は可愛いのよね…ふふっ、」
―――
貴方の寝顔(早く目覚めて、ミヒロ)
(私、言う事があるの)
(ねえ、ミヒロ―――結婚しよう?)
(なあ、テンテン―――結婚するか?)
(言う事が同じだなんて、笑える)