今日は、私の、その、想い人の話をしようと思います。


少女Hの告白


名前は水無月静那くん。
アカデミー時代からの同期です。
綺麗な金糸の様な髪に藤の花を思わせる藤色の瞳。
少し変わった格好に、独特の雰囲気を持つ男の子。


「おい、飯どうする?」

「んー……」

「ラムネ」

「それ飯じゃねェよ!!」


班員は千尋ミヒロくんと狐原アキネちゃん。
そして、担当上忍は相原クルミ先生。
凄い人たちに囲まれていながら自分の独特の雰囲気を崩さない静那くんがちょっと羨ましかったりします。
私は、人に流されがちだから……。
それに………


「……、…、…」


…恥ずかしがりで口べたで、人見知りで……度胸もない。
こうやって影からこっそり……はっ!こんなんだからサクラちゃんにストーカーとか言われちゃうんだ…!
私、私…!


「?、ヒナタ?」

「!!!」


こうやって私の事を見つけるのも彼の得意技だったりするんだろうか。
いつも隠れてるつもりなんだけど……。


「…なんかいい匂い…」

「え…っ、あ、その、」


多分その匂いは昨日焚いたお香…かも、しれないんだけど……。
いいにおい、かぁ……。


「その、静那くんは……えっと、」

「?」

「な、なんでもない、なんでもないよ!」

「???」


やっぱり聞けない…!
この匂い好きなのか、なんて。


「ヒナタ、」

「え、あ、」


すんと髪の匂いを嗅がれた。
静那くんが……ち、ちちち、近い!!!!!


「この匂い……好きだぞ」


す…き…?


「ヒナタ……好きだぞ」


「〜〜〜っ((ボフン!!!」

「?!、ヒナタ…?!」

「!!、ばっ…おま、何してんだ、静那!!」

「ばっかじゃないの、静那!!」

「(何で僕が責められるんだ…?!)」


―――あなただけを想う


(昔からずっと、貴方を想ってるんです)
(気付いては…もらえそうにないけど、私、それで満足です)



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