それは昔のことです。
うちは一族という特殊な瞳術を持つ家系のお話。
滅亡した一族には生き残りがいました。
里でひとり暮らしている、うちはサスケという少年が。
兄への復讐を望み、片割れの存在を探し続けていた少年はついに片割れを見つけ出したのです。














「、…スザク……ッ、…ぐ、ぅ…」

「………、…」


予選で自分の番を終えたうちはサスケ兄ちゃんの病室に来ていた。
うちの名を呼んだサスケ兄ちゃんが苦しそうに顔を歪める。
家族と思えない自分の片割れ。


「ねえ、サスケ兄ちゃん」


…こんな薄情なうちをどうして呼んでしまうの―――…?


そっと手を掬いあげて緩く握れば、サスケ兄ちゃんの手がうちの手を強く握り返した。
大蛇丸の呪印で苦しめられて、辛そうだったサスケ兄ちゃんに何も出来なかった上に忘れていたうちをどうして呼ぶのかなぁ…。
どうして、手なんか握り返してくるかなぁ…。


「ねえ、サスケ」

「………。」

「きっとうちはサスケのこと兄弟だと思って見てない」

「………。」

「でも、うちはサスケのことライバルだとは思えるよ」

「……スザク…?」

「サスケ、ごめんね」














何で、謝るんだよ……バカ…、野郎。














※補足※

サスケ→スザク。
*小さい頃*
大事な妹で片割れ。
俺が護ってやるんだ。

*一期*
イタチなんかに渡すもんか。
あいつは生きてる、俺が探し出す。

*二期*
???

スザク→サスケ。
*小さい頃*
双子の兄ではあるが家族とは思えていない。
若干どうでもいい。

*一期*
兄だと思えるように頑張る。
ごめんね、兄ちゃん。

*二期*
???
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