ひとしずく、落ちたのは
「………あれ、サクラ?」
「!、カイア!あ、そうだ。これからサスケくんの所にお見舞いに行くんだけど一緒にどう?」
サスケ……かぁ…もしイタチに会ってるとしたら平常心じゃないだろーなー…めんどくさそー……
「んー、分かった、一緒に行く」
「よし!じゃあ行きましょ」
―――焼肉Q
「へえ〜〜〜いつもやる気のないアンタでもちょっとはマトモに見えるわね〜」
「ハハハ、似合ってない」
「笑うなっての」
「わ、私は笑ってないよ!!…その…おめ、でとう……シカマルくん……」
「……おう(最後の方全然聞こえてねーんだけど……ま、いっか。予想はつくしな)」
お姉ちゃんとチョウジくんの目の前、そして私の横には中忍昇格のベストを着たシカマルくんがいた。カイアちゃんも中忍に昇格したらしいんだけど忍者登録室に何時になっても来ないらしい。どうしたんだろう……??
「とりあえずシカマルの中忍昇格を祝ってカンパイだな」
「いただきま〜〜す!」
「あ!チョウジ!カンパイ前に肉食べないの!!」
あはは…チョウジくんはいつもどおりだなぁ……、にしても……
「?、どうした?」
「…ううん、なんでもない」
私はどんどん置いていかれちゃうなぁ……
「「………。」」
あちゃー…イタチの幻術にでもはまったかな…いや"月読"…かな??どちらにしろ面倒な事になったけど………実は僕解けるんだよね!サクラには悪いけど……僕はサスケを助ける気は微塵もないわけで……ごめんね、サクラ。ま、物事には自然な流れってものもあるし、ナルトの事だからどうにかしようとするでしょ?だから僕は無駄な力は使わない。
「入るよ」
「!、…アナタは…?(きれいな人…)」
ほら来た。
「サクラちゃんもう大丈夫だってばよ!スゲー人連れて来たから!」
「ナルト…!」
「へへへ」
サクラは椅子から立ち上がりペコっと頭を下げた。
「ガイ先生からお話は聞いています。サスケくんを…サスケくんを助けてあげて下さい!」
「ああ!任せときな!」
スッと手を伸ばし額に触れるとブゥン…と音をたてて医療忍術を使い始めた。ああ、あれならサスケも目覚めるだろう……よかったね、サクラ。
「カイア、何処行くの?」
「…ん?あー……調べなきゃいけないんだ」
「え?」
「サスケももう目覚めるだろうし、ここにいる必要もないからさ…それに………やる事もあって」
色々と忙しいんだよ、今。探しモノとか、荷造りとか、色々…ね?
パシャァァ
「いいぞ!赤丸。空中ダイナミックマーキング決まったぜ!!次は三回ひねりだ!狙いを定めろ!!」
「ワン!」
クルンクルンと空中で回っておしっこをばら撒いている赤丸に苦笑しかもれない。こっちに飛ばさないでくれれれば別に何やってもいいけどさ……
「………」
「…あれあ散歩と言えるのか?いや、言えないな。これでは落ち着いて虫の採集も出来ない」
「いや、それ以上採集して如何するの?」
シノよく見て、虫籠の中すっごいブンブンいってるから!気持ち悪いほどうじゃうじゃいるから――!!!
「(いいなぁ…三人とも趣味があって。私も何か楽しい事見つけようかな…)」
「ヒナタ、間違えても変な趣味見つけちゃ駄目だよ」
「え…!?」
「せめて安全な趣味を…!」
その後"二人の趣味も安全だよ?"と笑うヒナタに何も言えなくなりました。グス…純粋って怖い…!
「………。」
伝説の三忍と呼ばれている綱手様が私の足を見てくれている。どんな結果が来たって、私は受け止めるつもりだった。だって、リーはもう忍を止めたほうがいいらしいと診断を始める前に聞いたから………それ以上酷い結果なんて、私にはないでしょう?
「……お前も忍を止めた方がいい」
「「!」」
「(何故この姉弟ばかり…!)」
「重要な神経系の周辺に多数の骨破片が深く潜り込んでる。とても忍と死手の任務をこなしていけるような状態じゃない、例え手術をしたとしても……」
「そうですか」
「?、驚かないんだな」
「はい、受け止めると決めていました」
「そうか……」
「……可能性は…ないのですか?」
「やはり姉弟で似るものだな……私以外には無理な手術の上時間がかかりすぎる…それに、大きなリスクを伴う…手術が成功する確率は「あ―――!!!」…ガイ…」
「そ、それ以上はよしましょう!教育上良くない!」
「……ガイ先生、私は知りたいんです。希望がなくても受け入れる覚悟は、しています」
「!、ミー……なら、俺から言う。成功確率はよくて50、失敗すればお前は……」
「死ぬんですね」
「「!」」
「(達観した子だ…)」
分かってました、ガイ先生。でも、それでも………私は…
「手術してください」
「「!」」
「ミーッ!!!」
「言ったでしょう、先生」
「?」
「私は……リーの変わりに忍術のスペシャリストになりたいです。私は体術苦手だからリーと補い合うの……って……きっとリーは諦めないから、私も諦めたくなんてない」
「ミー…そうだったな、お前はそう言う奴だ。その代わり絶対死ぬな」
「はい…!」
忘れないで、先生。私は何時だって……
「リーと一緒で努力の天才だもの!」
それなのに、頬を滑り落ちるコレは、何なのでしょうか?
ひとしずく、落ちたのは温かさか冷たさか、それとも
死ぬのが―――――――――" "