平子くんと平子ちゃん。@
「未子ー」
「?、…あ。お兄、どうしたん?」
「いや、暇や思て来てもうた」
「そぉか。ほな、今茶ァ淹れるわ」
「おう」
立ち上がってお茶を入れる為に台所へ向かう。
兄である平子真子は『仮面の軍勢』であり現・五番隊隊長や。
うちは十四番隊の五席。
言うとくけどな、十四番隊の五席てめっちゃ凄い事なんやで?
十四番隊での五席言うたら他の隊じゃ三席とか副隊長扱いや。
ええか?もう一度言うで。
十四番隊での五席……っと、自慢しとる間にお茶零れそぉになってたわ。
お盆にお茶を乗せて部屋に引き返したらどこかで見たようなほのぼのしとるカップル発見。
何や、何時の間に来たんや?
「こ、こんにちは…」
「ご、ごめんね、未子ちゃん……お邪魔してます、」
「あー…茶ァ、追加やな」
「未子、座っときィ。俺が行って来るわ」
「あ、おおきに」
追加文のお茶を取りに台所に行ってしまったお兄を他所に二人に話しかける。
二人共今日は非番やったはず……別にいても構へんけど、此処来た訳が有るんやろ?
あ、因みにうちも非番や。
え?十四番隊は人少ないのに一度に二人も休んでええのかって?
知らん、隊長に聞き。
「あの、その……僕たち、付き合ってはいるんですけど何をしたらいいか分からなくて」
は?
「そ、それで…あの、…隊長とかに聞いてまわってたの…」
で、うちのとこが最後言う訳か。
「祐樹三席と祐華四席にも聞いたんですけど……何ていうか、ハードルが高いっていうか…」
「あァ…お前らハグでも『まだ早いですー』とか言うてそうやもんなァ。ほい、緑茶でええか?」
「「ありがとうございます」」
のほほんと笑ってお礼を言った花と白鳥はどこからどう見ても幸せそうなカップルや。
悩みが『何をしたらええの?』とかそんなもんなら幸せ絶好調やないか。
でも…まあ、まともに答えてやらんとこの二人落ち込みよるからなァ…。
「で?一体何処までやったんや」
バリッ、お兄が醤油煎餅を齧る。
何かおばちゃんみたいやで、お兄。
「ど、どどど、どこまでって何もしてませんよ!//」
「た、ただ一緒に本読んだり、お茶したり、お話したりしてるだけです!//」
友達から進歩なしかいな。
そら、あかんわ。
「手ぇも繋がへんのか。っハァ〜…今時めずらしカップルや」
「ほんまや。自分らほんまに健全な男女か?」
「け、健全なお付き合い真っ最中ですよ!//」
「そ、そうです!//」
二人はあたふたあたふたと力説し始めた。
もう何や……めずらし通り越して天然記念物に昇格する勢いやで。
「お前ら他何処に行ったん?」
「え?」
「せやから、言うてたやろ。祐樹と祐華んとこは行ったんやろ?奏司とか、蜂陳とかまだおるやろ」
「あ、はい!えっと……まずは翠さんの所に行ったんです」
花が少しずつその時のいきさつを話し始めた。