「好きよ」
霊夢が言った。にこり、と意味深に微笑んでいて私は思わず顔が熱くなった。霊夢はそれを知ってか、嬉しそうにクスクスと笑いながら「顔が真っ赤」と言う。
「う、煩いな…!」
「ふふ、ごめんなさいね」
霊夢はそう言うが、謝っている気がしない。思わず口を尖らせるが霊夢は笑ってばかり。
「霊夢のばか」
「私は好きなの」
「…むぅ」
思わずそう言うと、霊夢は微笑みつつ私を押し倒した。急なことでびっくりして、目を開いてしまう。
「ふふ、そんな貴女が可愛すぎるの」
「ちょ、やめ………!」
そう言うが霊夢は無視して私へ顔を近づける。そして、すぐに唇に暖かい何かがかぶさった。
「んぅ…っ」
変な声が漏れる。意味が分からない、なんて思いつつそっと離れた霊夢を見る。何がなんだか分からない。
「ねぇ、私。貴女が大好き。愛しているの」
「そ、そう…」
「だから、私を愛してくれない?」
「…は?」
愛す?霊夢を?頭をフル回転で考えるが理由がさっぱりと分からない。私が霊夢を愛して、どうなるの?
「…くす、冗談よ」
悲しそうに笑って、離れて行く霊夢を見てみると胸がとても痛んで、苦しくて、思わず涙がでそうになった。
「御免なさい、魔理沙。貴女を困らせちゃったわね」
「ち、ちが………!」
言葉が自然に漏れた。だけど霊夢は笑っていて「さよなら」と言うのだ。…嗚呼、そんな顔見たくなかった。
気付いた時には遅くて、私は何時の間にか失恋をしていた。
2010 04 19